私に投影出来ない剣は無い!!
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唸るは剣撃、響くは轟音。赤き魔術師、錬鉄の英雄は白黒の双剣を構えながら大きく振るい、黒い雨、シュヴァルツェア・レーゲンの攻撃を捌いていた。ラウラは防戦一方の心に疑問を覚えながらも攻め続ける。
「ふむ、パワーもスピードも悪くない。ならこれはどうだ」
右手に持つ莫耶を消し、一本の人間の背丈を越えるほどの日本刀を展開した。
「そんな馬鹿のように長い剣で私を倒そうというのか、愚かだな」
「誰もこれで君を倒すとは言っていないのだがね、反応を見るだけだ」
「反応……っ!?」
呟いた瞬間に心は動いた、そして同時に右手の日本刀が姿を消した。突如姿を消した刀、動揺するが何か冷たいものを感じ後ろに引く。すると先程自分がいた場所、丁度自分の首があった辺りに刀が添えられていた。あのままその場に居たら首が切り落とされていたかもしれない……という考えがラウラの脳裏を過ぎった。
「反応も悪くない、だがまだ二流だな」
「なんだと………?」
ビギリとラウラの額に青筋が走った。自分が二流だと侮辱された事にあからさまな怒りと、自分を侮辱したこの男を殺すという殺意が浮かぶ。
「君の戦闘技術は(スキル)であった術ではない。この違いが解るか?」
「戦闘技術に術など必要ない!!ただ敵を倒す技であれば十分だ!!」
激昂したラウラの言葉にやれやれと溜息を付く心。だから二流だというのだと呟く。
「確かに一般的には技で十分かもしれんが二流の技ではただ敵を倒す事しか出来ない暴力だ。いや、口に言っても無駄か、実際に試してやろうじゃないか、君のスキルが私を倒せるかどうか」
「ほざけ!!」
再び斬りかかるラウラに対し再び莫耶を投影し攻撃を受け止める。ラウラの痛烈な攻撃を捌き、プラズマ手刀を同時に振り下ろした瞬間に両腕を交差した状態から一気に開きプラズマ手刀を弾きながら、双剣をブーメランのように投げる。
「馬鹿か!自ら武器を捨てるとは!」
「投影開始」
笑うラウラの余所に心は新たな干将・莫耶を投影しラウラを斬り付けた。
「な、にぃっ!?」
「気を抜いていて良いのかね?」
更に持っていた干将・莫耶も投擲、これで心の持ち手はなくなったとラウラは考えた。だがそれを裏切るように新たな投影。干将・莫耶が現れる。そして自らの身体を切り裂かれた。
「こ、れは先程投げた剣か!?」
「その通りだ」
まるでお互いがお互いを引き合うようにラウラを中心にするように弧を描きラウラへと襲い掛かる干将・莫耶。そしてそれに惑わされているうちに迫る心。
「調子に乗るなぁあああああ!!!!」
「―――っ?身体が」
突如身体が停止した、自分は身体を止めた命令を出したつもりだなど毛頭無い
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