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SAO−銀ノ月−
第椅子取話 弐
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椅子に座ったものの、まだ何もなかったりする。

「高所エリア……近いよ、リーファちゃん」

「よし、行くわよ!」

 それとは逆に、妙に好戦的なチームだったり。主にリーダーの性格のせいであるが。地図を見ていたレコンの先導で、一直線にリーファたちのチームは高所エリアへ向かっていく。倒してもまだ1ポイントなわけだが。

「ま、まだ様子見だな」

「だろうな」

 初期エリアの洞窟内の探索を続けていたショウキたちも、その通告を特に考えるまでもなく無視した。行く手を阻むツララをエギルの斧が粉砕していくが、何かポイントに繋がるような椅子は見当たらない。

「マサキが心配か?」

「うーん……そうでもないよ。マサキ君なら今のうちに罠でも張ってるかも?」

 ――こうしてイス取りゲームは、バトルロイヤルの様相を呈していく。

「ど、どうしましょうマサキさん!」

 そんな最初にポイントを取得――してしまった――チームDこと、シリカたちは約一名を除きどうしようかと慌てていた。彼らがいるのは高所エリアであり、見晴らしはいいものの整備された入口から以外は入りづらく、出口が一ヶ所しかないということと同義だったからだ。つまり攻め込まれれば、敵と接敵しなくては逃げられない。

「……まだ敵も攻めてこないだろう。これだけしか、ポイントを取ってないにもかかわらず……」


「やっべ、何か金髪見えたぜ」

「…………」

 斥候をしていたクラインからそんな連絡が届き、マサキはため息一つとともに顔を歪めた。どんなバトルジャンキーだ、と考えたが、金髪という情報からどのチームか確定する。ALOのアバターでログインしているメンバーがいるチームは、僅か一組だけだ。

「さて……」

 マサキにはまだ、敵チームと本格的に交戦する気はなかった。どうするか頭を回転させると、クラインやシリカを集めて考えを話していく――

「……敵チーム発見っと……」

 その高所エリアでは、レコンがもうシリカたちを捉えていた。クラインが見たというリーファかルクスの金髪は囮。既にレコンは隠蔽スキルによって敵には気づかれず、高所エリアまで潜入していた。

「……リーファちゃん、二人見つけたよ……」

 斥候の面目躍如というべきか。レコンは離れたリーファにそう連絡したが、問題はそこにマサキがいないことだった。いるのはクラインとシリカのみで――ポイントを持っているのはシリカのため、好都合だと連絡したのだが。

 このまま奇襲を仕掛けたいところだが、レコンの腕前では奇襲とはいえクラインを相手どるのは難しい。おとなしくリーファとルクスが来るまで斥候に徹しつつ、二人が来たら奇襲をかけられるポイントまで移動する。

 しかし、レコンはリーファへの
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