3部分:第三章
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し」
アーノルドはその言葉に納得したがクリスはさらに彼に問うことがあった。
「それならあの剣は一体」
「あれは神のものなのだ」
「神の!?」
「そう。モートの剣だ」
ここでモートという名前が出て来た。
「それを奪ったアナトがあそこに置いたのだ。誰の手にも渡らないようにな」
「そうだったのか」
モートは死の神でありアナトは戦いの女神だ。彼等は宿敵の関係にあるのだ。
「つまりだ。あの剣は」
「死と冬の神の剣なのか」
「その通りだ」
ホークムーンは今度はクリスの言葉に頷いた。モートは死と破壊を司る神だ。悪の神々の領袖ともされておりその力は強大なものである。
「あれは世に出てはならないものだ」
「それをあんたが護っているってわけか」
「うむ」
アーノルドの問いにも頷いてみせる。
「その通りだ」
「そうか。そんなものなのか」
「わしでも手に取ればどうなるかわからん」
ホークムーンは剣呑な顔になって語る。
「その時はな」
「じゃあ人が手に取ればどうなるんだ?」
「さて」
アーノルドの今の問いに首を傾げるのみだった。
「どうなるのやらな。何しろ悪の神の所有するものだ」
「わからないのか」
「そうだ。だからこそそのオズワルドに渡すわけにはいかぬ」
真剣そのものの顔と声になっていた。
「それでだ。できればそなた達に」
「協力して欲しいと」
「そういうことだ」
「その通りだ」
二人に対して答えた。
「頼めるだろうか」
「まあ何かな。俺達もな」
アーノルドはホークムーンのその頼みを聞き終えたところで両手を頭の後ろで組んだ。そうしてそのうえで少しリラックスした姿勢で述べたのだった。
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