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Fate / the beelzebub comes.(魔王来たりて)
第1話 来訪
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俺のサーヴァントとして、聖杯戦争を戦うという事か?」

「勿論、そのつもりで申し上げましたわ。」
キャスターは全くの澱みもなく言い切った。

「・・・俺の目的は、聖杯戦争で勝ち残る事では無いんだぞ?」

俺はキャスターの真意を計りかねていた。

「勿論承知していますわ、その事も理解しての事ですわ。」

「む、むう・・・まぁ、協力してくれるのなら・・・それで良いの・・・か?」

その時は、裏切られたとしても対応出来るからと、その場で了承した。
だが・・・俺は全く気付いてなかったのだ。

キャスターが獲物を見付けた時の猛獣の様な・・・ある意味危険な視線を俺に向けていた事に・・・


















(遠坂凛サイド)

その日の夜は、今にも雨が降ってきそうな空模様だった・・・

空気に湿り気が帯びていて、汗が頬を伝う。

だが、この汗はそういう意味でかいた訳ではなかった。

先程、一瞬ながらも感じ取る事が出来た、強大なる魔力・・・
それに気付いてしまったが為に、冷や汗をかいたのだ。

アレが敵に回るかと思うと、正直勝てる気がしなかった。

たとえどんなサーヴァントを呼び寄せたとしても・・・ね。

この時ばかりは、アレに気付いてしまった自分の優秀さが恨めしかった。


・・・でも、気付いてしまった以上、勝つための対策は講じなければならない。

その為にも先ずは最良のサーヴァントを呼び寄せなければ!

私は胸元にしまっていた父親の形見である赤い宝石を握り締めた。


お父さん・・・お父さんからの遺伝したうっかりは今日は無しで、お願い!
今夜ばかりは失敗出来ないの!!

今夜サーヴァントを召喚する事を心に決めた私は、天国にいるであろう父親に、うっかりの回避を真剣に願うのだった。












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