番外22話『乱入!』
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きかえ恐さから逃げてきた。もはや勝てぬと全人類が諦めた天災そのものが私なのだ」
「……ん゛んっ!!」
カマキリがエネルから距離をとった。いつの間にか右手に備えていた槍を捨て、新たな武器を。
一見してただ貝に柄がついているだけのそれ。武器にはなりそうにないそれだが、どういう仕掛けが施されているのか。気付けば貝から青白い光が生まれていた。際限なく伸びるその光をもって、カマキリが叫び、振るう。
「燃焼剣!」
その光で、エネルの後ろにある大木ごとエネルの体を両断した。
が、やはり無駄。
一瞬だけぶれたエネルの姿だがすぐさま元通りになり、何事もなかったかのような顔をして「約束の5分を過ぎた……手を出させてもらうぞ」
「……」
既にかなわないことを察していたカマキリはエネルに背を向けていた。
「逃げるとは今更だな……ヤハハ、雷より早く動けるつもりか?」
目前に、いつの間にか現れていたエネルの姿を見て、自分の最後を察知したカマキリが悲痛な声で叫ぶ。
「逃げろ! ワイパー!」
「100万V放電!」
閃光が一帯を多い、カマキリの体を雷光が覆った。
その電圧に耐えられなかったカマキリのサングラスのグラスが割れ、カマキリもまた黒焦げの姿で背中から大地へと倒れこむ。
それで、終了。
「……いかん、電気が雲の川を伝ってしまったようだ……今の放電で声が20も消えてしまった。間抜けどもめ」
自分の部下をも巻き込んでしまった男の言葉とは思えないような言葉を、ただ面白くなさそうに平然と吐き捨てて体の向きを反転させた。
「だが、まぁ丁度いい――」
誰もいない森の奥を見つめ、そして。
「やっと追いついたぁ!」
「――ヤハハハ、青海の男。貴様にも神の存在を教えてやろう」
視線の先、森の中から突如現れたハントに、エネルは不敵に微笑んで見せた。
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