暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外22話『乱入!』
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はいないはずのハントが未だにメリー号でナミとこうして会話をしている理由。

 ――私を心配……してくれてるのよね。

 それはナミの己惚れでもなんでもなく、事実、その通り。
 ガン・フォールもおらず、ウソップもサンジすらも戦闘不能のこの状態でナミを置いておく。

 それをハントに出来るはずがなかった。
 もちろんそれはハントがナミをただ心配していることもあるが、それ以上にナミ自身が一人になることをこの状況で望むはずがないことをハントも理解しているからだ。誰よりもナミを大切に思っているハントだからこそ、今ナミを置いて自分の目的を最優先に動けるはずがない

 それをナミも理解しており、もちろん恋人たる彼女がそれを嬉しく思わないはずがない。ただ、ハントがナミを心の底から大切に思っているようにナミもまた同様にハントを大切に思っている。

 だからこそナミは言う。

「私は大丈夫だから」

 このまま負けっぱなしで終わることは誰よりもハント自身が悔しいだろうから、それをアラバスタで既に知っているから。「け、けど俺が行ったら」と心配そうに言うハントをナミは快活に笑ってその背中を張り倒す。

「たとえ相手が雷でもアンタは負けないっていうアンタの言葉を信じる! だから――」

 一旦言葉を切り、大きく息を吸ってナミは笑う。

「――さっさと行ってブッ飛ばしちゃいなさい!」
「……おう!」

 ナミの笑顔に、ハントもまた笑顔で応え甚平を翻したのだった。
 



 ハントがナミの言葉を受けてメリー号を飛び出した頃、アッパーヤードにおける戦闘は激化の一途をたどっていた。
 ハントと途中まで行動を共にしていた黄金探索組も、それは当然に同様だ。

 ルフィは巨大なウワバミの腹の中にいることも気づかずにそこを探検し、ゾロはゲリラ……正式にはシャンディアの主力の一人ブラハムを撃破し、チョッパーは常に腕を組もうとする神官ゲダツと遭遇、ロビンも神兵長ヤマと遭遇している。

 各々が各々の戦いに身を置く中、ハントが目的とする男である神エネルもまた一人の男と遭遇していた。いや、正確に言うなら遭遇を経て、既に数分が経過していた。

「うおおおお!」

 神エネルが遭遇した男はゾロが撃破したブラハムと同様に、シャンディア側の主力の一人として数えられている男で、その名はカマキリ。サングラスとモヒカンが特徴的な彼が雄たけびをあげてこれで何度目ともわからない槍の刺突を繰り出した。

 それは正確にエネルの左胸を貫き、本来ならそれで勝敗は決するはずの一撃だ。
 だが、既にそれはこの数分の間に幾度となく行われてきた行為。エネルの右胸から漏れるのは血ではなく雷のような鋭い光。それがカマキリに槍を伝い、全身へと走り、カマキリの体
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