暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外22話『乱入!』
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ところ雷をうつようなやついないなぁ。

 少々だるそうに、それでいて真面目に。
 島中に張り巡らせた見聞色の網に神がひっかかるかどうか、それにほとんどの意識を傾けている。ハントの今の第一目的は神へのリベンジマッチなのだからそれも当然といえば当然かもしれない。網に神らしき人物がかかればすぐにでもそこへ走り出しそうな雰囲気を醸している。

 とはいえ、そんなハントの個人的な感情にロビンが気付くわけもなく、いや気づいていても気にするわけもなく民家の遺跡を見つめながら言う。

「ここは都市から離れた民家ね……やっぱり森に呑みこまれてる。肝心の都市の遺跡は無事なのかしら」
「……ん?」

 ロビンの言葉に反応したわけではなく、ハントがフと顔をあげた。それとほとんど同時。

「め〜」

 山羊のような容姿と鳴き声をした一人の男が、ロビンが見つめる民家の遺跡へと足を下ろした。

「女に……男か! このルートは神の社へと続く道! これ以上は踏み入るは無礼なり! メ〜!」

 今にもハントへと襲い掛かりそうな雰囲気を醸しだすその男へ、ハントが口を開く前にロビンが先に言葉を発していた。

「そこから降りなさい、あなたは遺跡というものの価値がわからないようね」

 山羊のような男は「何を生意気な!」とその言葉を跳ね返したが、ロビンが珍しく不機嫌そうな表情を浮かべていることにハントは気づいた。ギョッとした表情を見せて、意識的か、それとも無意識にか、ロビンから離れるように数歩ほど後退る。

「私に御用? どうしたいの?」
「どうもこうも! 神の命によりシャンディア及び貴様ら青海人をこの斬撃貝で――」

 ロビンの問いに、山羊似の男が堂々と答えようとした時だった。

「――六輪咲き」

 いつしか、男の体中に六本の腕が生えていた。

「ん?」

 男が気付き――

「あ」

 ――ハントがそれを察知した時には既に遅し。

「ツイスト!」
「ホガ!?」

 六本の腕が山羊男の体中の関節を砕いていた。

「……ひどいことをするわ」

 山羊の男が登場するときに足を下ろした遺跡の一点。崩れてしまっているその場所を見つめながら呟いたロビンの言葉に、ハントは茫然と思ったのだった。

 ――……こ、こわい。

 遺跡を破壊された跡がどれだけのものなのかを確認しつつもまた「行きましょう」と歩き出したロビンの背中に「お、おう」と相槌を打ちながらハントもまた歩き出そうとして、すぐにその足を止めた。

「……」
「……?」

 ハントが自分の後ろをついて来ようとしないことに気付いたロビンが後ろを振り向き、気付いた。
 ハントから感じられる空気が一変していること。

「動いた」
「動いた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ