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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
1.August・Night:『Memory...Denied』
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───勇敢で精悍な『英雄(ヒーロー)』等には程遠い、『悪役(ヒール)』すら通り越して、下賤で卑劣な『悪鬼(ヴィラン)』の笑顔で。


()くぞ、“悪心影(あくしんかげ)”────一撃で勝負を決める」


 一息に“()()長谷部(ハセベ)”と“賢人バルザイの偃月刀”を、“錬金術(アルキミエ)”により融合させて。玉虫色の刃を備えた、日本刀と替えた。


応朋(おうとも)よ────しかし、二人などと小さい事を申すでない。()()()()跳ねっ返りを従順に躾るのも、中々に乙なものぞ?》
「ふゥン…………確かに、ソソる話じゃねェか────検討しておこう」
「…………ッ?!」


 燃え盛るような真紅の瞳三つで、一瞬見詰められた黒の少女。悪寒でも感じたのか、猫のように身震いしていたようにも見えた。
 その、無意味な視覚情報を断つ。己の目は瞑り、代わりに影から覗くショゴスの血涙を流す瞳で、全天周の食屍鬼を捉えて。


「“柳生新影流兵法(ヤギュウシンカゲリュウヒョウホウ)”、“無形(ムギョウ)(クライ)”が崩し────」
呵呵呵呵呵呵(かっかっかっかっかっか)! 人界余さず人理の内、世に人外の這い無ぁし!》


 構えもなく、長谷部をただ、だらりと持ったままで。三十を越える食屍鬼全てに、ただ一振りを。


《“神魔覆滅(バランスブレイカー)”────果てよ、神仏魔羅(うぞうむぞう)!!》
全天周相転移刀(フェイズド=アレイ)──────“辰気楼(シンキロウ)”!」


 “ヨグ=ソトースの時空掌握(ディス=ラプター)”により、空間転移する刃で。ただ一撃で、全ての食屍鬼を纏めて時空ごと斬り裂いて。


「「「「Gyaaaaaaaa(ギィヤァァァァァァァァァァァァァァァ)!?!」」」」


 玉虫色の時空の裂け目に、食屍鬼どもが捕食されていく。足下の影は、食欲を満たされた歓喜に咽ぶように波立っていて。
 僅か数瞬で、食屍鬼は跡形もなく。先の五体の残骸も含めて、完全に消滅した。


『クッ────欠片とは言えども、流石はかの三御柱(みはしら)なる“門にして鍵、一にして全(ヨグ=ソトース)”か……』
「旗色が悪ィな…………仕方ねェ、退くか」


 使い魔の全滅すら、大して気にせずに。既に離脱の構えに入っていた黒の娘は、一度此方を見遣って。


「じゃあねェ、()()()()()()()()()がた? 次はきちンと殺してやるよ────“人狼鬼(ルー=ガルー)”。()()()()()()()』|の《
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