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女で悪いか。
雨のち蝉

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バケツをひっくり返したような激しい雨
おかしいのは その色



「・・・ーー赤い・・?」





そう、真っ赤な雨が激しく地面を叩いている
手を伸ばして 触れたその雫は少し生暖かく 気持ち悪い





辺りに霧が立ち込め 地面が蠢き始める
何かが 地中から這い出ているようだけど
ここからじゃ良く見えない


見えないのだけれど
何なのか すぐに分かった

それらは 壁を登り一気に鳴き出した


夥(オビタダ)しい数の蝉だった


「嘘!? 今は11月・・・ありえない!」



セミは好きなだけ騒ぐと
この異様な霧の中 朽ち果て 地面へ転げ落ちていく





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