雨のち蝉
[8]前話 [2]次話
バケツをひっくり返したような激しい雨
おかしいのは その色
「・・・ーー赤い・・?」
そう、真っ赤な雨が激しく地面を叩いている
手を伸ばして 触れたその雫は少し生暖かく 気持ち悪い
辺りに霧が立ち込め 地面が蠢き始める
何かが 地中から這い出ているようだけど
ここからじゃ良く見えない
見えないのだけれど
何なのか すぐに分かった
それらは 壁を登り一気に鳴き出した
夥(オビタダ)しい数の蝉だった
「嘘!? 今は11月・・・ありえない!」
セミは好きなだけ騒ぐと
この異様な霧の中 朽ち果て 地面へ転げ落ちていく
.
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ