第18話 魁、現状を語る
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そのはずだった。
『何で…オレはここに……』
気がついたときはオレはあの戦いから160年以上も先の未来…それも自分が死んだ仙台市に転生していた。しかも幕末と同じ“藤堂 平助”という名前で…
そしてオレはすぐにこの日本の歴史を調べた。その結果…やっぱり幕府は滅びた。新選組も土方さんの戦死を切欠にあっと言う間に士気が落ち、前面降伏という形で戊辰戦争の幕は下りた。
ただ気になったのは土方さんの小姓が千鶴じゃなく、“市村鉄之助”という聞き覚えの無い少年隊士になっていた。調べによると土方さんは函館戦争の決戦前夜にその鉄之助に自分の遺髪と写真を託して、自分の最期を姉に伝えるよう命令したらしい。もっとも…その翌日の決戦時に敵の銃弾で戦死になっているところは皮肉としか言いようが無かった。
だけどオレにはどうしても信じられなかった。土方さんが千鶴を残して死ぬとは思えなかった。
もしかしたら そういう話にしただけで実際は違うかもしれない。一度だけ会った大鳥さんって人がうまく手回しして、土方さんと千鶴を生かしてくれたかもしれない。
だけど現在を生きるオレにはそれを確認する手段は無かった……
そしてオレが小学5年生になった頃、街中で散歩し、半信半疑で悩んでいたオレの目の前に懐かしい幕末の新選組と再会した。
「藤堂君……?」
その仲間とは“サンナンさん”こと元新選組 総長の山南敬介本人だった。なんでも山南さんは今大学生になり、教師を目指しているらしい。相変わらずこの人は頭がいいな。歴史を調べるついでに知ったが、後世の人間の見識では山南ではなく山南という読み方で認識されていたという事実には驚いた。
そしてオレは山南さんと久しぶりの談笑で笑い会っている時にある仮説が頭に浮かんだ…
もしかしたら新選組の他の仲間もこの時代に転生しているかもしれない
そう思うとオレはいても立ってもいられず飛び出そうとした所で山南さんに止められた。
『手掛かりも無いのに一体どこを探す気ですか?』
そう言われると何も言い返せねえ。だけどオレと山南さんがこの時代に転生したなら他のみんなだっている可能性は十分あるはずだ。そんなオレの心情を察したのか山南さんは…
『まだ確実とは言えませんが藤堂君が言うように新選組の仲間たちがこの時代に転生している可能性はあります。だから今は待つべきです。新選組が再結集する
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