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美術部所属の天才は一人部屋の奥
目が覚めると
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し、テレビや漫画でもいい。新しいひらめきが生み出せれば何でもいいんだ。」

「うん。そうだね。」

「で、困ったことがあったらじいちゃんに相談しろ! 何でも聞いてやるからな!!」

「ありがとうございます。」

おじいさんは、凄かった。俺が 思っているより強くてたくましくて。…俺もこんな風になりたかったんだろうな。やっぱりすごい。そうか、ひたすら描き続ければいいって事じゃないんだな。俺は…間違っていた。さっき先輩が大事なのは、肩書きじゃないって言ってたよな。絵に肩書きも何もいらない。大事なのは、『気持ち』。きっとこれが俺に足りなかったものなのかもしれない。



「本当にありがとうございました!!」

「またいつでもきてね。」

「色彩君、頑張るんだぞ?」

「じゃあ母さん、父さんと弟と妹によろしく。」

先輩との休日は、今までの中でかなり特別なものになった。絵を描いて景色を見ておじいさんとたくさん話して、学んで。今までやったことのないことをできて本当に良かった。…休日の時だけは、早起きは三文の得だな。休日だけな。

「たくま先輩、俺ここにこれて良かったです。また連れていってください。」

「お?色彩?待ってたよその言葉!!嬉しいね。」

俺にとって大切なものは絵だ。絵がかければそれでいい。…だったかな。小学校の頃に聞かれた自分の大切なもの。俺は、絵が大好きだ。
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