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美術部所属の天才は一人部屋の奥
目が覚めると
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もう行くしかないみたいだ。

「おっと…窓窓…。」




「いや〜悪いね色彩。休みの日なのに」

「いいんです。」

俺も起きたんで。というのは、心の中だけにしておこう。『意外だな〜』って言われそうだから。

「どこに行く?」

「俺は先輩の行くところならどこでもついていきます。」

「そう?あ、じゃ、ちょっと遠出するか!!」

たくま先輩は、そう言って駅にむかっていった。本当に遠出だな。電車に乗るのは、いつぶりだろう。最近出掛けてないもんなぁ。いつもかったるいっていう理由で。どこへも行かなかったし。

「たくま先輩、どこに行くんですか?」

「ん?そうだなぁ〜ついてからのお楽しみとしておこう。」

「決めてないとかは、ありませんよね?」

「心配しないで。ちゃんと決めてある。」

まあ 、そうだわな。たくま先輩は、計画性のある人だからそこは、心配なさそう。…油断は、できないけどな。結構ドジっぽい時とかあるし。

「色彩!見てごらん!綺麗な海だろう?!」

電車の窓からキラキラ輝く海が見えた。俺は、すかさずカメラを取りだし写真を撮った。いつかここ(電車の中)から見える…いや、ここでしか見られない素晴らしい景色を描きたい。今感じた感動を誰かに見てもらいたいそう思った。しばらくして電車は、終点まできて止まった。ここで俺達は、降りた。…ここは、一体どこだろう?ずいぶん遠くまで来たなあ。

「たくま先輩、そろそろ教えてください。」

「しょうがないなぁ…といってももう目的地だけどね。」

坂を少し登った先に見えたのは、白い家だった。

「ここ、俺の家みたいなところ。実家は、もうちょっと先だけどね。」

かっこよくいえば別荘みたいなところらしい。ちなみにこの家、元々たくま先輩のおじいさんの物でそれをたくま先輩が絵を描くために譲ってもらったのだとか。おじいさんは、昔画家で先輩と同じくここで絵を描いていた。

「『綺麗な景色は、人を育てる。綺麗な景色は、心を洗う』っておじいちゃんがよく言っていたよ。本当にだね。」

「そうですね。」

「さってっと、早速描くか。コンクールもあるし。色彩は、コンクールどうするの?」

「俺……俺は………考えておきます。」

美術部は、ほとんど強制だから出さないといけないんだけど……怖いんだよ。駄目だって言われるのが。馬鹿にされるのが。『落ちた才能』って言葉も、全て。中等で噂が流れた。トラウマになった。だからこそ『あげないと』って焦ってる。今不良とか関係なしに。

「…あのさ、色彩は、すっごく絵が上手い。うちの部員の中でもトップだと思う。
…でもね、大事なのは、肩書きなんかじゃない。気持ちと、どんな思いで見てほしいかじゃ
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