暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王デュエルモンスターズ 〜風神竜の輝き〜
第3章 新たなる好敵手
第16話 決意する2人
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いわ」
「本当はお前を巻き込んだりはしたくないんだけどな……ああ、約束するよ。駄目って言っても聞かなそうだしな」
「お互い様じゃない」

話に一段落がついた丁度その時、第2班の面々が同じ東屋を訪れた事で、遊雅と亜璃沙の密談はそこで途絶えた。

「みんな、どうしたんだ?」
「おう南雲、何か2クラス合同でデュエル大会やるみたいだぜ。参加しないか?」
「おっ、まじか!もちろん参加するぜ!」

これからまだ山を登るというのに、尚遊ぶ元気があるのかと、女子生徒達は半ば呆れていた。
そして亜璃沙は、先程まで見せていた陰鬱な雰囲気を払拭していつも通りの様子を見せ始める遊雅の後姿を眺めながら、自分はまだ不安の檻の中に囚われていた。
そんな彼女の様子に気付いた秋弥と女子生徒2人、つまり同じ班に属する3人が、亜璃沙を心配して話しかけて来る。

「亜璃沙ちゃん、どうしたの?何だか元気がないみたいだけど」
「……ううん、何でもない。登山なんて初めてだったし、ちょっと疲れちゃったかも」
「大丈夫?私達も一緒にいようか?」
「ありがとう、でも大丈夫よ」
「そっか……無理しないでね、私達、向こうに行ってるから」
「うん、ありがとう」

亜璃沙と一通り言葉を交わしてから、2人の女子生徒は再び去って行った。
続いて、残った秋弥が彼女に話し掛ける。

「亜璃沙、何か悩み事?」
「……ううん、そうじゃないわ。心配掛けてごめんね」
「気にしないで。それじゃ、僕も遊雅達と一緒にいるから……何かあったら、相談くらいなら乗るよ。だから、あんまり思い詰めないようにね」
「うん、分かってるわ。ありがとう」

その場を後にする秋弥を見送って、亜璃沙は再び物思いに耽るのだった。

◇◆◇◆◇◆◇

デュエル大会は遊雅の優勝で幕を下ろした。
優勝賞品は大会主催者が用意した菓子と言う、生徒主催にしては妥当とも言える物で、遊雅はそれを第2班の面々と分け合って頬張りながら、引率者の後について山道を歩いている最中だ。
行儀がいいとは言えない行為だが、ごみさえ自分で処理すれば構わない、と言う施設職員のお墨付きを頂いている。
山頂までの道のりも、残す所あとわずかだ。

「亜璃沙、もういいのか?」
「ええ、これ以上食べたらちょっと、ね……」

遊雅のお裾分けを、亜璃沙は苦笑しながらそう断った。
そんな様子を見て遊雅は、休憩時間中に自分が与えてしまった不安を、彼女はある程度振り払ってくれていると見て、自分もいつも通りの自分に戻る事にする。
亜璃沙も全く同じ事を考えていた事を、遊雅は知らない。

(遊雅だって、あんなに明るく振舞ってる……私が落ち込んでちゃ駄目よね)

彼女は密かに、心の中でそう言う決着をつけていた。
休憩時間中に気を掛
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