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無欠の刃
下忍編
新術
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う二度と泣かせないんだってば」

 チャクラが増えていく。さらに、終わりなく限りなく際限なく。
 どこにその量を隠していたと思わせるほどに、膨らんではじけたチャクラに、人には可視出来ないほどに僅かな赤のチャクラが混じる。

 ちからを、かしてくれ。くらま。

 小さく口の中で呟いて、彼はぐっと腰を深く沈める。
 その声にならない声に、彼の奥で眠っていたそれもまた声を返した。

 ああ。

 瞬間、チャクラが何倍にも何十倍にも立ち上り、鋼鉄の腕が振るわされた場所が根こそぎ弾け。

 先程まで暴れるだけだったチャクラが、一つの意思を持った。
 ばっ、とサクラとカトナが同時に身を乗り出す。
 僅かに青い光が、ナルトの足元で弾ける。
 次の瞬間、ぼんぼんぼんぼんっ、と何かしらの破裂音のようなものが響いた。
 それと共に、煙が辺りに立ち込める。
 一体なんだと辺りを見回したネジは、その白眼で明らかな異常をとらえる。
 ばかなと、頭を振った彼の目は、しかし、いくつもチャクラを示している。

 そんな中、客席からは何も見えなくなった視界の中、高らかに、その声音は響いた。

 「えー、長らくお待たせいたしましたってば」

 その声とともに、がやがやと喧騒が響きだす。
 そして増えだした気配に、思わずと言った様子で観客席にいた忍が前のめりになる。
 ただ、カトナだけはそれを当たり前のような目で見ていた。
 煙が晴れていく。
 そして、彼らの目にそれが曝け出される。
 百、千…万には及ばないが、しかしそれほどの数の金色が、そこにはいた。
 全員が全員、一様に騒ぎながらも、目を見開いているネジに向けて指をさす。

 「「「「「うずまきナルト忍法帖、ただいま開始いたしますってばよ!!」」」」

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