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無欠の刃
下忍編
新術
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れるかもしれない。
 それでも、それでも、それを運命だと彼は認めない。

 だって、運命だというならば。
 自分の腹の中にいる九尾は、どう足掻こうと自分の中に封じられて。
 自分のライバルであるサスケは、どう足掻こうと家族を兄に殺されて。
 自分は両腕を切り落とされたことさえも、決められたことになってしまうではないか。

 それは、いやだ。

 倒れそうになった体を気力で保ち、足に力を籠め、なんとか立つ。
 自分の両腕が斬り落とされたことは、もう仕方ないと割り切っている
 自衛できなかった自分が悪いのだと思うし、そんなことをしようと思った奴も悪い。
 けれども、もう、それは過ぎたことだと、ナルトは悟っていた。
 だけれども、ではそれを運命として認めるかと問われれば、それは違う。
 これが運命だということを、ナルトは認めれない。
 だってこれが運命ならば、ナルトの両腕が斬られることが運命だというならば。
 それは、姉が泣くことも運命だったという事ではないか。
 真っ赤な目で泣いていた姉は、懺悔をしていた姉は、自分の所為だと責めていた。

 本当は誰の所為でもないのに。

 ナルトは自分の中にいるクラマが好きだ。何人もの里の人間を殺したという彼を、彼はどうしても嫌う事が出来ない。
 例え、里の人間が彼を憎んだとしても、ナルトは彼が好きだ。
 一時、彼を理不尽に責めたことがあった。
 自分の腕が切り落とされたのは、お前が腹の中にいるからだと、なじったこともあった。
 確かに、彼が自分の腹の中に封印されているから、自分は人柱力となって、姉はその身代わりとなって、里の人に排他されることとなった。
 けれども、原因が彼であったとしても、それでも、彼の所為ではないのだ。それでも、彼が悪いわけではないのだ。
 だから、ナルトは彼の所為だとは思わない。だから、誰かの所為でこうなったのだとは思わない。
 自分が選んだ人生で、自分が生きていく人生だ。
 誰の指図も受けないし、誰かの命令を受けて、誰かに決められて選んだわけじゃない。

 ナルトは運命なんて言葉が大嫌いだ。
 何もかもきめられているならば、何もかもきめつけられているならば。

 それは、姉が傷つくことすらも運命だったという事ではないか。

 普通の女の子として生きて、誰かに恋をして、誰かと付き合って、誰かに愛される幸せが、愛す幸せがなかったということではないか。
 葛藤して苦しんで憎んで傷ついて泣いて悲しんで、嫌だと叫んで。それでも、ナルトの為に全てを捨てた姉の気持ちがすべて、無駄だったという事ではないか。
 もういやだよと泣いた姉を、否定することではないか。

 それだけは認めない。それだけは死んでも許せない。

 「…俺はさ、も
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