第十四話
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そんな笑顔が心から愛しいと思う。戦続きで荒んでいた俺の心を、静かに凪いでくれるようで、胸が温かくなる。
「そうやって笑ってくれる夕殿が……俺は好きだ」
夕殿は一瞬固まった後、顔を真っ赤にしていた。
何かおかしいことを言っただろうかと考えていたが、どうにも上手く考えることが出来ない。
「……片倉様、後で土下座して詫びるのはなしですからね」
一体何を言っているのだろうかと思っていたが、夕殿はいいえ、と一言言うと軽く首を傾げる俺に眠るようにと促した。
「歌を……」
綺麗な歌声が聞こえ始めたところで、揺らいでいた意識が段々と酷くなっていく。
消えていく意識に抗えずにいると、誰かが俺の額に触れていることに気付く。
それを確かめるだけの力もなく、ただそれに安堵している自分を感じながらゆっくりと眠りに落ちていった。
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