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歪みすぎた聖杯戦争
4話 孤独な行動 孤独な数字
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天の計らいなのかはわからないが、今、こうしてアーチャーのクラスを得て冬木の地に現界している。

(だとすると、爺さんはいるだろうか…)

アインツベルンの方を観ながら考えるが、
今ここで行っても自分は敵サーヴァント。話を聞いてさえくれないだろう。

(だが、私にはすべきことがある。)

過去の改竄。それがアーチャーのサーヴァント''エミヤシロウ''の目的だった。
エミヤシロウという歪みを己の手により抹消する事。それだけがエミヤシロウに残された賭けだった。
だが、今回召喚されたのはエミヤシロウがいるあの第五次聖杯戦争では無く、幸か不幸か第四次聖杯戦争だった。が存在するより前の時間軸。
今はまだ、この第四次聖杯戦争にエミヤシロウという存在が誕生していない。
ならば、やることは聖杯を破壊するだけ。
二度とあの様な悲劇起こさせない為にも、それにこの時代に呼ばれたこと自体が好都合だった。もしこの時代で、聖杯を破壊することができたなら、この世界にエミヤシロウは存在しなくなる。 故に、己が為すべき事は決まっている。───時臣を勝者とする事だ。
セカンドオーナーの時臣が異常な状態の聖杯を目にすれば叱るべき処置をしてくれることだろう、冬木の火災も起こらないだろう。皆が死ぬ事も無くなる。これが最善の手段。

(これでいいんだ…)

アーチャーが一人で自重気味に笑う。且つて自分が目指していた正義の味方。
然し、現実は冷酷であり彼の出来る事には限界があり、片方が救われている横でもう片方は救われなく、大を得るために小をを切り捨てる。アーチャーはいつしかそんなことを虚しく、繰り返していた。
だがアーチャーはそんなんでは彼の目指している正義の味方にはなれない。
と感じてはいたが、だが幾らアーチャーが救おうとしても、救われないものが、どうしてもできてしまう。それでも理想を追い求めた。世界と契約を結び、力を経て人々を助けた。
そう、英雄になれば、とんな絶望を打破できると信じていた。
……だが、現実は全く違った。''守護者''と呼ばれる、抑止力に取り込まれた英雄たちは、あくまで悲劇が起こった後始末にしか呼ばれない。
つまり、そこは地獄だと言う事。全ての人々が絶えた地獄に呼び出され、その地獄をさらなる滅びで覆い隠し、そして消えていく。それは最早、正義の味方ではなくただの掃除屋だった。
彼はこんな事をやるつもりで英霊になったわけでは無い。
彼が憧れた正義の味方というそんな在り方は断じて違う。
そんな考えを張り巡らせていたが、ふと街の方面に一つ気になる人影があった。
普通この距離からでは、アインツベルンも冬木市も遠くて見えないがアーチャーの千里眼によって数km先もアーチャーには鮮明に見える。
それによって、人影だろうとアーチャーには、しっか
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