4話 孤独な行動 孤独な数字
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た収穫は無かったのだった。だが落ち込むことでも無かった。
まだまだ聖杯戦争が始まって序盤、他のマスター達が本格的に動き出すのにはまだ早い。
そうポジティブに考えていたのだが───
「おっ!ウェイバーの旦那 他の奴らの動きはあったか?」
ライダーが作品とやらを作りながら、テレビを観ていた。
「………………何やってんだ?」
ウェイバーはいまだ甚だきにくわない。
仮にも彼の個室に──厳密には他人の家だが、
この際それは置いといておいて──聖杯に招かれし英霊とあろうものが日がな一日テレビを観たり作品とやらを弄ったりと、ウェイバーには甚だ落ち着かなかった。
用のないときは霊体化していろと命じても、ライダーは''身体のある方が心地よい''と突っぱねたのだ。
実体化している時間が長引けば、それだけマスターがサーヴァントに供給しなければならない魔力もロスが多く、ウェイバーからしてみればたまったものではないのだが、そんな事情などライダーはお構いなしである。なお許し難いことに、ウェイバーの貴重な魔力を食い潰してまでライダーが何をしているかといえば……実に、何もしていないのだ。こうしてウェイバーが偵察活動に励んでいた今も、テレビを見て時たま、感心したように呟き、のほほんとくつろいでいるのだ。サーヴァントとはこういうものなのか、と自分の召喚したサーヴァントに一途な不満を浮きだしていた。
「それよりも旦那、凄いぞコレ、うん!」
語り口に熱を込め、ライダーはブラウン管の画像を指さす。今ビデオデッキで再生されているのは、
元アメリカ陸軍の特殊精鋭部隊であるグリーンハットの一員であったカイエー・レッドフィルードの
案内により戦争の真実を暴く。その番組名は『The future of warfare(戦争の行く末)』……ライダーはこの手の軍事マニュアル向けの資料を集めて観ている、彼曰く''おいらの作品のアイディアに必要''らしい……一体何に使えるのかこんなものが………
「これ、この核爆弾という凄まじい破壊力を持つこれ。オイラもいつかこれ程の破壊力を目指さないとな〜」
その映像から流れるのは、核によって建物や車や木が一瞬にして廃になる凄まじい映像であった。
「──そこまでの破壊力があるのを使ったら、この冬木市は一瞬で消えて、聖杯戦争どころじゃなくなるな」
ウェイバーが捨て鉢にそう吐き捨てると、''そうだなぁ''と聴いてるか聴いてないのかとよく分からない返事のまま唸った。
「まぁ、オイラもそこまで安物のようにポイポイと使うわけにはいかないしな、使うとしたらここ一番というところだな」
「聖杯戦争こんなで大丈夫なのかな.…」
何にせよ、今気にしなければならないのはアサシンのサーヴァントだ。
自らのサーヴァント
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