第一物語・前半-未来会議編-
第三章 覇王の会議《1》
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
日射しを遮るように建つ建物の敷地内に、一つの広場がある。広場には装飾がなされ、その中に人影の組が二つに分かれている。
今、会議の始まりを知らせる警報が響き渡る。
並べられた二組の机の真ん中にいる咲は、警報が鳴り終えると二つに分かれている学勢達に告げる。
「これより、日来と辰ノ大花の会議を始めます。双方の覇王会は前へ」
二つの組は並べられた机を背後に置き、前へと数歩出る。
それを確認し、
「まずは日来から職務、名前を告げて下さい」
告げる咲の声に、日来学勢院側に立っていた伊達眼鏡を掛けた少年が一歩、前に出る。
相手を真っ直ぐ見詰める視線。対して彼方は動揺する様子は見せなかった。
つまり受けの姿勢で会議に挑んでいるわけではないということが、態度で理解出来た。
「日来覇王会戦術師、レヴァーシンク・ゼム。宜しく」
短く言い、一歩下がた。
交換するように、二人の女子学勢が前に出た。
「私は日来覇王会伝達者、岩清水・飛豊だ」
「うちは日来学勢院覇王会伝達者補佐、虎居・空子ネ」
二人は告げ、後ろへ下がる。
空子に若干の視線が送られたが、ほんの数秒のことだ。
他の者とは喋り方が違うことに反応したものと思われる。
次に金髪の男女が出て来た。
「日来覇王会指揮官、金動・アストローゼ。価値ある話を期待している」
「日来覇王会指揮官補佐のニチア・ワークです。そしてこの子は生霊|《ナビ》のウタタネです」
ニチアは手に乗っかている狐型の生霊を見せながら、アストローゼは真剣さを表しているが普段となんら変わらない。
仲間達がそう思うなか二人は引っ込む。
後に続くのは、白髪の髪をした半獣人族の女子学勢だ。
「わたくし日来覇王会隊長、ネフィア・ルルフと申します。以後お見知りおきを」
制服のスカートを手で掴み、軽くお辞儀をする。
その時、背後から体に誰かが絡み付いてきた。
「俺もう自己紹介したからよくね?」
「我が覇王!? あの、離れて下さいな」
「彼方の御仁、女性に引っ付いてるで御座るよ! 羨ましいで御座るなあ……」
男の本音というものが漏れた。
直後、辰ノ大花側にいた忍者の足を、隣に立つ女子学勢に目に見えない速度で踏みつけられ、
「――あひん!」
と、忍者は情けない声を漏らした。
忍者は痛みを堪えているが、痛みからか両の足が震えている。さっさと進めろ、と言わんばかりの彼方の態度に恐れをなし、セーランはネフィアから離れた。
はあ、と苦労のため息を吐き、ネフィアは後ろへと下がった。
前に残るセーランは一人頷いてから、よし、と意気込んでから言う。
「自己解決で自己紹介。日来覇王会会長ヶ長幣・セーランまたまたヨロシク。っておい、何だよネフィア、そんなんで束縛するなよ。
もし
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ