第一物語・前半-未来会議編-
第二章 時の始まり《2》
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ことしてなければいいですけど……」
正門を塞ぐように立っていたネフィアは左、教員二人は右に別れ、会議場に続く道を開けた。
セーランは彼らよりも先に会議場に向かい、通り過ぎる際に手を軽く挙げ、お礼の意を示した。
後から来訪者達が入って行き、全て入ったことを確認し、その後ろに三人は続いて入って行った。
●
外交区域学勢領のすぐ右側にある外交区域社交領の建物の中に、幾つかの人影が映画面|《モニター》を見ている。
机を四角形に並べ、中心にある映画面越しに会議場の様子を監視しているようにも見える。表示されている映画面には、覇王会の面々と来訪者達が映っていた。
見ながらその場にいる社交員の一人が、静かに口を開いた。
「お前達に全てが掛かっている。ミスはしないでくれよ」
「やはり、いざその時になると不安なものですな」
「もしもの場合は社交院の権限で乗り込むぞ」
「そんなことをしたらバレる可能性が」
「他言無用だ。ならばそうならないようにと、彼を信じよう」
その者の気迫に、周囲の者は静まり返る。
彼は一息入れ、閉じた視界を開き映画面を見る。
映画面には日来覇王会会長が映っていた。
「お前が何を考えているか分からんが、日来の未来はお前達に全て掛かっているんだ。間違っても馬鹿な真似はするなよ」
映画面に映る覇王会会長の顔を見ながら、彼は座っている椅子にもたれ掛かる。
椅子の軋む音がこの空間に響いた。
そして今、会議の始まりを知らせる警報が日来全土に高らかに鳴った。
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