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101番目の舶ィ語
第十一話。人喰い村からの脱出
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んなで輪になるように手を繋ぐ。
さっきかなりの距離を稼いだが、村人達との距離はもう百メートルくらいしかない。

「よし、行くぞ!」

俺はDフォンを操作し、キリカに電話をかけた。
操作を終えた後は耳に押し付けて首を倒し、肩と首の間で挟むようにして手を握った。


トゥルルルルル……トゥルルルル……。

電話を待つ間にも村人は迫っおり、一之江は何故かリサの胸をぎゅっと掴んでいる。

「ひゃん?? 一之江様なんで後ろから胸掴むのですか??」

「掴みやすかったのでつい」

「掴みやすかったなら、いいのかしら?」

驚いた声を上げるリサと、一之江の動きに戸惑いの声を上げる音央。
掴みやすいって……ああ、自分のは掴めないからもしかしてデカイのを掴みたかったのかもな。

「そして、このまま、モンジに抱きついてください。
音央さんも一緒に」

「えっ、ご主人様に??」

「えっ、い、嫌よ??」

「臭くてキモいかもしれませんが、なるべくくっついてください」

「臭くもキモくもねえよ??」

俺の抗議をスルーした一之江は「脱出に必要ですから」とリサと音央に囁いた。

「わ、わかりました。えーい……」

むぎゅ。
リサが抱きついた事により、その豊富な部分が当たって……ヒステリアモードはより強くなった。
更にリサからは甘いメープル系の匂いがしてきた。
意識し始めたら、一呼吸毎にヒス的な血流メーターが微増し始めた感じがしている。

「相変わらずいい匂いがするな、リサは」

「んもう、ご主人様ったら。まだお昼ですよ?
ですが今まで相手が居らずお辛かったのですね。ついにそのようなお気持ちになって下さって……リサはリサは嬉しいです……」

なんだかよくわからん事を言っているリサは置いといて。
そのリサの発言を聞いた音央の顔が途端に不機嫌となり、背後からもゾクッと背筋が凍るような冷たい感覚を感じた。

「へ、変態?? バカー?? 匂いフェチ」

「……女性は胸の大きさで優れるわけではありません。
それが解らないなんて……そんなに死にたいならぜひ後ろを振り向いてください。
すぐに楽になりますから……」

前門の(音央)、後門の(一之江)??
このままだと村人や詞乃ちゃんにではなく、音央や一之江に殺されそうだ。

「キリカ、早く出てくれ??」

そんな事を言っている間にも村人達は手に各々の武器を持って近づいてきている。
距離にしてほんの10メートルほどだ。

「きゃあああ! 迫ってきてるわよ??」

「いででで?? 抜ける。抜けてしまううう??」

俺に抱きつきながら俺の髪を引っ張る音央。
あまりの力強さに毛根が死滅しそうな勢いだ。
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