第九話
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とりあえず水で流してばい菌が入らないようにはしたけども、
傷に沁みるから絆創膏くらいは貼りたいなぁ……勿論、そんなものないけどね。
奥州にいた頃は、ここまで自分でやらなかったからなぁ。
まぁ、たまにはやってたけど基本的に誰かやってくれたから、今みたいにマメに動く事はなかった。
だからこういう能力はからきしなのよね。
っていうか、生まれ変わる前は一人暮らしだったけど、洗濯なんて洗濯機に放り込んで洗剤入れて
スイッチ押せば自動で洗ってくれたしね。
そこに乾燥機能もつけちゃえば、私の手間は畳んでタンスに仕舞うだけだから大した労力じゃない。
それに加えて生活が結構適当だったからなぁ〜……。大体、洗濯板なんか使って洗濯したこともなかったしさ。
自分でやらなきゃならなかった時は、洗濯は苦手だからって小十郎に押し付けてたし。
「小十郎、どーしてんのかなぁ……今頃」
ホームシックじゃないけど、でもこんなに長く離れてるのは初めてかもしれない。
あの馬鹿主はもうちょっと頭を冷やせと言いたいけども、
生まれてからずっと傍らにいた弟とこんなに離れたことは一度もなかった。
……その結果、変な気を持たせてしまったと思うと……罪悪感ばかりが募って困る。
「奥州が懐かしい?」
背後から声をかけられてゆっくりと振り向けば、長い事姿を見せなかった佐助がいた。
「そりゃ故郷だから。で、行ってきたんでしょ? 私の素性を調べに。
その様子じゃ、全部分かったみたいだね」
「ああ。確かにアンタの言うとおり、嘘はついてなかった。今、伊達じゃえらい騒ぎになってるよ。
アンタが出てったから独眼竜が探しに行くって大騒ぎしてる」
ああ……全然頭冷えてないのね。あの馬鹿主は。つか、それを必死で抑えようとする小十郎の苦労が目に浮かぶよ。
しかし、予想外に頭が冷えるのに時間がかかってるわけなのね。
佐助が調べに行った時点では反省しているもんだとばかり思っていたけども……。
「……この調子だと、一生奥州には戻れないかもしれないなぁ……」
「でもアンタの弟が一生懸命止めてるから行動に移すには至ってないみたいだけど……
てか、アンタ結構歳いってんだね」
その一言に思わず回し蹴りを食らわせてやりました。女に向かってその一言は禁句です。
いくら三十路が近いからって、おばさん発言はいけないよ。
「駄目だよ、女の人に向かって歳食ってるとか言っちゃ。
そんなんじゃモテないし、好きな女が出来てもモノに出来ないよ?」
「〜〜〜っ……効いた……だって、見た目は旦那よりちょっと上くらいに見えるってのに、
蓋開けてみたら竜の右目と同い年でしょ? 二十九、立派におばさ」
余計な事を言
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