第二章〜甲斐でお世話になることになりました〜
第六話
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ねばどうにも力が入らぬゆえ」
一日一回ですか。よくもまぁ、それで太らないこと。トレーニングしてるからそうでもないのかな? いや、体型の問題じゃないよ。若いうちはいいかもしれないけど、あんまり甘いものばかり食べてると
将来糖尿病とかになっちゃうよ。
「本当に好きなんだねぇ……私も甘味は好きだけど、そこまではいかないかなぁ」
別に毎日食べなくても平気だし、たまに食べられればそれに越したことはないしね。
「旦那の甘いもの好きは年季が入ってるからね……ところで、お姉さん何処の人?
ここらじゃ見かけない顔だけど」
「一人旅の真っ最中ってとこかな」
そんなことを言うと、男が少しばかり警戒の色を強めたのが見えた。
傍目には全く変わらないように見えるだろうけど、奥州で忍とか統括する立場にいた私には丸分かりだよ。
ってか、この人結構上手くその辺を隠すねぇ。やっぱ忍なのかね。
というか、忍なんか連れて歩いてるってことは、いいとこの坊ちゃんなのか。この子は。
そら、迂闊に口に運ぶなってのも頷けるわ。毒でも入ってたら洒落にならないし。
私が何処ぞの刺客だって可能性だって捨てきれないわけだしね。
てか、そんな可能性を心配するくらいなら、一人で行動させんなよって気がするけど。
「へぇ、どっから来たの」
「奥州の方から」
「奥州? また随分と遠くから来られたのでござるな。甲斐へは何か用事があって?」
いい男を捜しに、なんて言ったらドン引きされるのは分かってるので、とりあえずたまたま立ち寄っただけと言っておいた。
何も自分から事情を言いふらす必要もないもんね。
「これといって行くあてもないから、風の吹くまま気の向くまま、ってな感じで
諸国を回ってみようかな、なんてね」
「女子一人で危ないではござらんか」
そりゃまぁ、普通の女の人ならそうなんだろうけどもね。
でも、そんじょそこらの普通の女とはわけが違うんだな、コレが。
とはいえ本当に心配そうに言ってくれる少年に絆されて、ついぽろっと私も零してしまう。
自分から言いふらす必要はない、なんて思ってたはずなんだけど。
「そりゃそうなんだけど……まぁ、奥州にいた方がもっと危ないというか何というか……」
そうそう。あのまま伊達の屋敷にいたら手篭めにされるっての。
今度こそ小十郎に気付かれないようにしてヤラれるわ。
それに小十郎と政宗様の間に確執を作るわけにもいかないし、やっぱり出てきて正解だったんだと思う。
「何かやらかしたの?」
「務めてた先の殿様にねー……手篭めにされそうになって逃げてきたのよ。
結構執念深い性格してるから、追手がかかる前に目の届かないところにまで逃げておかな
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