第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
木ノ葉崩し
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った。
「私が相手をします。イタチさんは隙を見て大蛇丸の粛清に向かってください」
イタチが短く頷き、鮫肌を振るいながら鬼鮫が弦月に切りかかる。ばちゃあ、とその輪郭が崩れ、水の塊になった。
「アタイの水化の特性を忘れたかい? 刀なんて意味ないんだよ。おまけに鬼鮫、お前さんの得意な術は水遁、アタイにとってはこの上なく有利な状況しか作り出せない属性。刀と水遁、どっちに転んだってアタイはあんたらに勝つ……!」
「それはどうでしょう? 弦月さん、貴女自分の作った刀の性能さえ忘れたんですか? やっぱり年のようですねえ、早く引退した方がいいですよッ!!」
一歩後ろに飛び、再び激しく斬りかかる。しかし目的は弦月に当てることではない。鮫肌の持つその特殊な能力を活かして、弦月のチャクラを吸い取ることだ。
「……ああ、そうか、鮫肌……! 全く、お前さんの言うとおりだね。アタイはやっぱりもう年のようだ。でも年だからって弱いわけじゃないよ、鬼鮫!」
弦月が自身の大刀を振り上げ、鬼鮫が応戦した。刀と刀のぶつかり合う、白熱した戦い。弦月は完全にイタチの存在を忘れているように思えた。が、イタチがそこを離れようとした瞬間、回転していた刀の群れが一斉にイタチに襲い掛かってきた。
写輪眼で得られる動体視力を駆使してそれを避け、逆にクナイを投擲する。その途端、刀の群れが回転しながらかけつけ、弦月に襲い掛かるクナイを弾き飛ばした。
「かかったね……」
弦月の掌からマジックのように現れた札がぺたりと刀に貼り付けられるのとほぼ同時、刀が爆発的に増えた。一層激しく回転しだす刀に、イタチは顔を顰め、鬼鮫は目を見開く。
札の上の文字は「母」。
「成る程……ッ! それが噂の、生刀・舐犢でしたか……! イタチさん、気をつけてください。あの刀は生きています、私の鮫肌と同じように。そしてそれだけではなく、術者の意思に関係なく動き、子を生むのですよ、『母』の札を貼り付けることでね……! ただし、確か『子』の方の刀は僅かな損傷でも壊れやすいと聞いたことがあります!」
「わかった」
鬼鮫の鮫肌が踊るように動き、イタチは起爆札つきのクナイや、火遁・鳳仙火爪紅、水遁・水牙弾を使用することによって『子』の刀を撃破していく。『母』の方と比べて『子』の方は比較的脆く、そして生まれたばかりであればあるほど撃破しやすいらしい。
人間と似たようなものなのだろうか、思いつつイタチは早くサスケの居場所を探し出したいとはやる心を押さえつけ、一気に五つの『子』の刀を撃破した。
+
事前に伝えておいたおかげか、木ノ葉側の対応は早かったが、しかし蓮助と弦月が彼らの陣営にいることは、完全にユナトの予想外だった。ユナトが探知できる範
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