第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
木ノ葉崩し
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ジが声をかけてきた。
「お前、いつまで付いて来る気だ」
「……気づいてたってばよ?」
「当たり前だ」
振り返ったネジの鋭い視線から逃げるように目を逸らしてしまう。これは褒められたことじゃないという自覚があっただけに心がちくちくするし、ネジを真正面から見つめることが出来ないような気がした。
「何か用件があるのならさっさと言え。俺はお前なんかと時間を潰している暇はないぞ」
何を言っていいのかよくわからなくなる。ヒルマの言葉が脳裏をぐるぐると旋回し、結局ナルトは言った。
「……影武者って、どういうことだってばよ」
「――誰から聞いた?」
一瞬にして険しくなるネジの顔に、ナルトは小声でヒルマの名を告げた。途端ネジが頭を抱えてしゃがみこむ。一気に脱力したようだった。
「あのおしゃべり男……!」
確かにあまり秘密を教えたいような人ではない。何かを伝えて欲しい時には恰好のスピーカーになってくれそうだが、秘密も迷わず躊躇わず周りに言いふらしてしまう。敵との戦闘中にぼろぼろ里の弱点を教えてしまわないかが心配だ。医療忍者な為基本後衛なのは救いかもしれない。
ナルトの視線を受けて、暫く黙り込んでいたネジはやがてむっつりと不機嫌そうな顔で語りだした。あ、こいつ今度あったらヒルマのこと殺すかも、というのが手に取るようにわかるくらいにはヒルマに対する殺気の宿った瞳だった。
「……昔、木ノ葉と長年争っていた雲と木ノ葉が和解し、長い間続いていた戦いも漸く収まりを見せた」
雲の忍頭が木ノ葉に訪れたその日、盛大なパレードに唯一参加しなかった一族。それが宗家の長女たる日向ヒナタの三歳の誕生日を迎えた日向一族である。分家の者たちは宗家へ祝いにいき、口々に彼女を祝福した。
「だがその夜、忍頭はヒナタさまを攫った。白眼を手に入れるためだ」
呪印のことを前置きしようとして、呪印のことについてはヒルマに聞いていると言ったナルトに再びヒルマへ対する脱力感を覚えながら、ネジは続けた。分家の者の白眼は呪印に封じられてしまうし、分家の子供なら連れ去った時点で宗家が呪印を発動、殺害していただろう。だからこそ忍頭は同盟を結び彼らの気が緩んだ頃を狙い、ヒナタを誘拐した。
「しかしそれは未遂に終わった」
駆けつけた日向ヒアシが忍頭を殺害、しかし雲はヒナタ誘拐の件を否定し、忍頭を殺した代償として日向ヒアシの死体を要求した。彼らが白眼を欲していることは明らかであり、故に一族はかわりに日向ヒザシを殺して雲へと差し出した、ということである。
日向ヒザシは当然ながらにその死後白眼の能力を失い、白眼の秘密は守られた。
「俺の父上は、ヒアシ様よりたった数秒遅く生まれた。それ以外は実力も、外見も変わらなかったというのに
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