暁 〜小説投稿サイト〜
ヴォルデモート卿の相棒
ハロウィーン
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「エシャロットの奴……! 必ず痛い目にあわせて、僕に楯突けばどうなるか思い知らせてやる! 」

マルフォイはスリザリンの談話室で怒りにうち震えていた。周りのスリザリン生はどうしていいかわからないでいる。
昨日の「ポッターと真夜中に決闘の約束をした後フィルチに告げ口、ポッターは退学」大作戦でクレスの怒りを買い、今朝教師の目の届かないよう男子トイレに連れていかれ、彼の人を殺せそうな眼で睨まれながら「次同じことすれば潰す」と脅されたのだ。余程怖かったらしく、マルフォイの目は充血し、顔には涙の跡がくっきりついている。
凡庸なくせにプライドだけは一級品のマルフォイはその件で大層クレスを憎み、どうしてやろうかと考えを巡らせているのだ。

「やめておけ。奴の逆鱗に触れた貴様に非がある」

ジークがマルフォイに近づきながら冷淡に告げる。興奮状態のマルフォイはクレスの関係者と見るや即座に噛みつく。

「僕に非があるだって!? 確か君はエシャロットと家族のような関係だったよねぇ! どうせあいつに肩入れしてるだけだろ? そんな奴の意見など聞く価値無いね!」
「無知もそこまでいくと笑えるな。奴の、エシャロットという家系がどういうものなのかも知らんのか?」

明らかに見下したような表情のジークに、マルフォイはますます怒りを募らせる。

「奴の、エシャロット家の家柄がイギリス魔法界屈指なんてことは知っているさ! だが! だからといって僕達マルフォイ家が劣っているわけではないぞ!」
「家柄ではなく特徴だ。魔法族の旧家は皆それぞれ主義・信条を掲げている。貴様らマルフォイ家は……というよりスリザリン生の純血の家系のほとんどは、魔法族を尊びそれ以外を排除しようとする純血主義。ウィーズリー家は、言わば反純血主義。私の家系ゴズホーク家は魔法と叡智による真理の探究……さて、エシャロット家はなんだと思う?」
「……なんだって言うんだ?」

ジークの話を聞きながらある程度冷静さを取り戻したマルフォイは、それでもしかめっ面でジークに聞いた。

「戦闘だ。奴らは戦いを何よりも好み、力を求め、常に自らの刃を研磨し、ただひたすら戦場を駆け抜けることを願う。奴らにとって人生とは闘いなのだ。貴様のしたことは、エシャロットの人間からすれば最も許しがたいことだ」

ジークはマルフォイを見据えながら言葉を続ける。

「貴様はするつもりのない決闘を提案し、あまつさえそれを利用して人を嵌めようとした。エシャロット家にとって決闘を侮辱されることは貴様の立場で例えると、そうだな、無理矢理マグルもしくはマグル生まれの女との結婚を強いられるようなものだ」
「……っ!」

マルフォイは雷に打たれたように立ちすくむ。
ドラコ・マルフォイにとって純血主義とは両親に教え込まれた絶対な
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ