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歪みすぎた聖杯戦争
3話 静かに楽しく暮らしたい
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は竜巻のように室内を蹂躙し、テレビや花瓶といった調度品を吹き飛ばして粉砕していく。
光る魔法陣の中央には靄状のものが立ち上がり、その中で小さな稲妻が火花を散らし始める。
この世のものとは思えない光景を。
だが二人はまったく怖じることなく、手品を見入る子供のように期待に胸踊らせながら見守った。
未知なるものの幻惑──かつて龍之介は''死''という不思議の中に見出した蠱惑。そして飽くほどに重ねた殺人の果てに、いつしか見失っていたその輝きが、今──閃光。そして落雷のような轟音。
衝撃が二人の身体を駆け抜けた。それはまさに高圧電流に灼かれるかのような感覚だった。
偶然にも吉良煌影には『魔術回路』があったのだ。
──いわば、それは例外中の例外だった。
もとより冬木の聖杯は、それ自身の要求によって七人のサーヴァントを必要とする。
資質あるものがサーヴァントを招き、マスターの資格を得るのではない。
聖杯が資質ある者を七人まで選抜するのである。
英霊を招き寄せる召喚もまた、根本的には聖杯によるもの。魔術師たちが苦心して儀式を執り行うのも、より確実に、万全を期してサーヴァントとの絆を築くための予防策でしかない。
たとえ稚拙な召喚陣でも、呪文の詠唱が成されなくても、そこに依り代としてその身を差し出す覚悟を示した人間さえいるのなら、聖杯の奇跡は成就する……

「「えっ?」」

立ち込める霧の中から現れたのは奇抜といえる派手な服装で真っ白の肌、そして如何にもと言える程のピエロの格好をした男一人の道化師が現れた
道化師は辺りを見渡し吉良の方に向いてこう言った

「あなたが僕ちんのマスターですか?」

──聖遺物のないまま召喚が成されたとき、それに応じる英霊はマスターと精神性の似通ったものになるという。この悪質な人格破綻者が期せずして招き寄せたのは、とある世界で破壊の限りを尽くそうとした男であった。
こうして、第四次聖杯戦争における最後の一組──七番目のマスターとサーヴァント
『キャスター』は契約を完了した。行きずりの破壊主義者が、魔術師としての自覚も、聖杯戦争の意義も知らぬまま、ただの偶然だけで令呪とサーヴァントを得たのである。
運命の悪戯というものがあるならば、それは最悪の戯れ事と言ってよかっただろう。









○○○○○○

間桐邸の暗い地下に、間桐雁夜は膝をつき今にも倒れそうな身体を必死に抑えながらも彼は笑みをもらしていた
金髪のオールバックに赤い目をしている男が雁夜の目の前にいる、つまり

「何とか ……召喚…できた」

雁夜はそう喜んでいるとバーサーカーが喋ったのだ

「質問だ君が私のマスターかね?」

「なっ?」

バーサーカーが喋っている…

「同じ事を二度も言わ
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