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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第二話
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ッツ。

 ただの高速移動の類であれば、多くの魔導師が扱うことが出来る一般的な魔法である。

 しかし高速移動の魔法は、その速度が高ければ高いほど肉体にかかる負荷が大きくなる。

 BJの性能で軽減されているが、それにも限度がある。

 朝我 零が発動したフリューゲル・ブリッツの速度は現状、全魔導師の発動する高速移動魔法の中で最速である。

 瞬間移動にも等しい魔法に、BJを着なかった朝我の肉体が耐えられるわけがないと言うのがなのは達の疑問だった。

 その答えが、朝我 零の持つ能力/『始まりの世界(ダ・カーポ)』にあった。

 『発動対象に起こった全ての“事象を零に還す”』。

 フリューゲル・ブリッツを使う際、朝我はこれを発動させて全身に来るはずだった加速の負荷を無に還した。

 つまり神速の魔法をノーリスクで使用することが出来るのだ。

「そんなこと……あり得るの?」

 詰め寄っていたなのはとはやては呆然としながらソファに座り、溢れるように疑問を呟いた。

 二人に対して朝我は不敵に微笑み――――

「ありえないことをするのが魔導師、だろ?」

 当たり前と言わんばかりに、そう答えた。



*****


 話しの途中ではあったが、通信連絡でなのはとはやては事情ができ、解散となった。

 なぜ機動六課に来たのかと言う疑問だけを残しての終わりだったが、なのはとはやてにとっては彼の持つ能力に興味と驚きが向いていた。

 解散となり、時間の空いた朝我は機動六課の隊舎内を散策した。

 1階から周り、屋上へ向かっていく。

 入隊してすぐにフォワードメンバーはなのはによる訓練漬けで、レクリエーションなどを受ける暇がなかった。

 今日、二人に呼ばれていなければ朝我はフォワードの面々と共に隊舎内の案内を受ける予定だった。

 それがちょっとしたことでズレてしまい、一人での散策となってしまった。

「――――まぁ知ってる場所だし、今更散策しても新鮮味がないけどな」

 人気のない屋上についた朝我は、ため息混じりに呟いた。

 手すりに右肘をつけ、体重を乗せて一息。

 そして目を細め、そばにある海から吹く風を浴びていく。

《マスター、この世界は間違いなく、あなたが経験してきた時間軸と同じのようですね》

 右手首に付けられた銀十字のチェーンブレスレッド。

 か細い女性の声を出す朝我のインテリジェント・デバイス/クロス・ネクサス。

「隊舎内も、スバル達も…………なのは達も変わってなかったし、今のところは問題ないな」

 朝我 零は海の向こうを眺めながら、現在に至るまでの経緯を振り返った。

 今から数ヵ月後、高町 なのは、フ
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