真夜中の決闘
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た婦人』はいなかった。夜の散歩に出かけてしまったようだ。
「さぁ、どうしてくれるの?」
「知ったことか。僕たちはもう行かなきゃ。遅れちゃうよ」
しかしハーマイオニーも強引についてきた。フィルチに見つかったとき事情を説明して自分は罪を逃れるつもりらしい。クレスに言わせればフィルチやマクゴナガルがそれで納得するはずないのだが。
「誰も来ねぇじゃねぇか!」
トロフィー室に到着してしばらくしてからクレスは声を落として絶叫し地団駄を踏んだ。ちなみに医務室から寮に帰る途中だったネビルも同行している。
「遅いな、多分怖じ気づいたんだよ」
そうロンが囁いた時、隣の部屋から物音がして声が聞こえた。
「いい子だ。しっかり嗅ぐんだぞ。隅の方に潜んでいるかもしれないからな」
マルフォイではなく、フィルチだった。フィルチはミセス・ノリスに話しかけている。ハリーが四人を手招きし、急いでフィルチの声とは反対側のドアへ身を隠した。
「どこかこのへんにいるぞ。隠れているに違いない」
フィルチがブツブツ言う声がする。
こっちだ、とハリーが耳打ちして、5人は鎧の沢山飾ってある長い回廊を這い進んだ。フィルチが近付いているのが分かり、ネビルは恐怖のあまり悲鳴を上げてやみくもに走り出し、つまずいてロンの腰に抱きつき、二人揃って鎧にぶつかって倒れ込んだ。
鎧はすさまじい音を立てて、勿論フィルチにも届いただろう。
「逃げろ!」
ハリーが声を張り上げて、5人は回廊を疾走した。フィルチが追いかけてくるかどうか振り向きもせず、全力で走った。先頭を走るハリーは、何処をどう走ってるのか分かっていないようで、5人が足を止めたのは「妖精の魔法」の教室の近くだった。
「フィルチを撒いたと思うよ」
ハリーは壁に寄りかかりながら息をきらして4人に話しかける。クレス以外の三人はハリーと同じく息切れしていた。
(魔法使い体力少なっ……)
「だから……そう……言ったじゃない……」
クレスがそんなことを思っている中、ハーマイオニーは胸を押さえながら言った。
「マルフォイにはめられたのよ。ハリー、あなたもわかってるんでしょう? マルフォイが告げ口したのよね。だからフィルチは誰かがトロフィー室に来るって知ってたのよ」
(あのガキ……舐めた真似さらしてやがって……!)
クレスがただでさえ鋭い眼を、心の弱い人が見れば卒倒しかねないほど鋭くして軽くキレていると、教室からピープズが飛び出してきた。5人、特にクレスを見ると、色々と恨みがあるのかピーブズは歓声を上げた。
「真夜中にフラフラしてるのかい? 一年生ちゃん。チッチッチッ、悪い子、悪い子、捕まるぞ」
「黙っててくれたら捕まらず
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