キミノナマエ
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」
「それは──ええと……」
士道は口を開く瞬間、琴里の声が耳に響く
「また選択肢ね」
琴里はスクリーン中央に表示されている選択肢を見つめた
@「それはもちろん、君に会うためだ」
A「別にいいだろ、そんなの」
B「単なる偶然だよ、偶然」
C「君のスリーサイズが知りたくて来たんだ」
手元にあるディスプレイには瞬時にクルー達の意見が集まり、結果が出る。@の意見が多かった
「Cは絶対に無理として、Aは反応を見る限り無理でしょうね。士道、無難に君に会うためと言っておきなさい」
『き、君に会うために来た』
『……?私に?一体何のために』
きょとんとしながら、少女が言うとまた選択肢が表示される
@「君に興味があるから」
A「君と愛し合うために」
B「君に訊きたいことがあるから」
C「君と一緒に大人のホテルに行くために」
「ん──……どうしたもんかしら………特にC番」
さっきからCだけセクハラ発言が多い気がする。琴里はそのうち点検しようと思いながら、手元のディスプレイを見るとAの意見が多かった
「ここはストレートに行くわよ。士道、君と愛し合うためにって言いなさい」
琴里はマイクに向かって士道に指示をする
「き……君と愛し合うために」
「…………っ!?」
士道が言った瞬間、少女は恥ずかしそうに剣を横薙ぎに振り、教室の壁を切り裂く
「じ、冗談はいらない!ほんとのことを言え!!」
少女は士道の目の前に剣を突きつける。そして、少女は愛されるなんて微塵も思わない顔をする。その表情は士道が大嫌いな顔だった。まるで世界に絶望したようなその表情が
「俺は……君と話をするために来た」
「……どういう意味だ?」
「そのままだ!俺は君と話がしたいんだ。内容か何かはなんだっていい。気に入らないなら無視してくれたっていい。でも、これだけは分かってくれ……俺は──君を否定しない」
「…………っ」
少女は士道から目を逸らし、しばしの間黙ると、小さく唇を開く
「……シドー。シドーといったな。……本当にお前は私を否定しないのか?」
「ああ、本当だ」
「……エミルとマルタも私を否定しないのか?」
「うん。僕も君を否定しないよ」
「私もだよ。絶対に否定しないよ」
少女は今にも泣き崩れそうなを顔をしながら、後ろを向き、ずずっと鼻をすするかのような音を立ててから顔の向きを戻す
「誰がそんな言葉に騙されるかばーかばーか」
「だから、俺は──」
「まぁ、どんな腹があるかは知らんがまともに会話しようとする人間は初めてだからな。この世界の情報を得るために少しだけ利用してや
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