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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第八話 今再び、甦る絆
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はない。

「アリサ、聞いてくれ」

抵抗を受けながらも、全は言葉を紡いでいく。

「俺は、お前らの記憶が無くなってる事に気づいてた……いや、知ってたって言った方が正しい」

「い、嫌、聞きたくない……!」

それでも、全は離さない。

まだ、伝えたい言葉を伝えられていないから。

「皆の記憶は戻らない……それは当たり前の事なんだって思ってたんだ……」

「……全…?」

それまで抵抗していたアリサが抵抗を止める。アリサに聞こえた全の声は……どこか、上擦っていたからだ。

「だから……ぐっ……記憶が戻ってるってわかって……嬉しかった……!」

「ぜ、全……」

そこまで聞いてアリサはわかった。

全は嬉しかったのだ。その理由はわからないがそれでも全は嬉しかったのだ。アリサとすずかが、記憶を取り戻してくれた事に。

「だから、ありがとう……記憶が戻って、本当によかった……!」

「全……」

アリサは、いつの間にか全を抱きしめ返していた。

そのまま、二人はずっとお互いを抱きしめ合っていた……。































その場に居続けたらさすがに他人の視線に晒されると感じた全は、アリサを泣き止ませて全の家に帰った。

すずかはまだ泣いていたが何とか泣き止ませて全はアリサとすずかにお粥を食べさせてあげた。

食べさせた、というのはそのままの意味でアリサとすずかが「で、出来れば全が食べさせて」と言ったので全は快く承諾。

アリサとすずかに食べさせてあげたのだ。全は暗殺者として活動していた際、風邪を引いた時などは仲間内全員で看病をしてあげていたので別段苦痛でもなかった。

中でも、全の師匠が風邪を引いた際はヤバかったと全は思っている。

なぜならば……

「戦意が高揚するなぁ、東馬ぁ!!!!」

そう言って顔を真っ赤にしながらも全にいつも以上の訓練をさせたのだ。

本当、あの組織は異常な人材が豊富だったな……と今更ながらに思う全だった。
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