第十話
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でも、あんたが主人公である以上はあたしたちよりも多い制約に縛られてるはずよ」
「……そっちについて知ってたりは?」
「絶対正確、って言えるわけじゃないけど、一つ。昨日あたしに殺されてた場合、あんたの物語は終わってたでしょうね」
「つまり、消えてしまっていただろう、と?」
「そういうこと。あんたがDフォンを受け取ったその瞬間に、その『ロア』としての運命を受け入れたってことなんだから」
ラインちゃんや。俺はそんな説明、一切受けていないのですが。
とはいえ、彼女もまたロアであるのなら、こうしてDフォンを配るという行為が実行しなければならない物語なのかもしれない。なら、まあとても責めることはできないな。
「ついでに言うなら、あたしは『百鬼夜行の主人公を倒したロア』って噂されて、一年か二年くらいなら何もしなくても消えないくらいになる予定だったんだけどね」
「え……主人公のロアを倒すって、そこまでのことなのか?」
「だって、『百鬼夜行の主人公』って超がつくくらい有名だもの。ぬらりひょんの名前を知らない人って、日本にはほとんどいないだろうし」
まあ、あたしはこれまでにもたくさんのロアを屠ってるから簡単には消えないんだけど、とテンは続けたが、俺としては見過ごせない点が一つ。つまり、俺はこれから先も超狙われるということだろうか?勘弁してほしいんだけど。
「あー、俺もテンみたいに他のロアをやっつけたりしないといけないのか?」
「そりゃそうよ。主人公なんて、事件を解決し続けてなんぼじゃない」
「それは確かにその通りなんだけどなぁ……」
「大丈夫よ。相手にも意識があるとかを気にしてるなら、完全に噂から生まれたロアを狙えばいいから」
うん?
「というのは?」
「そういうロアは、たいてい噂に尾ひれがついて残虐性とか危険性がアップしているのよ。さらには、意識なんてなく、ただ噂の通りに動こうとするから……」
「やらないと他が危ない、か」
「そ。意識なんてないも同然のやつらばっかりだし」
そう言われても、多少の抵抗が残るもののようだ。ついでに、昨日のテンが相手の時にあそこまで苦労したんだ。これから先もあんなんばっかりだった場合、もう本当にどうしようもない。が、『百鬼夜行』の主人公である以上は、あと九十九個もあるということ。そうもいっていられない。
「当然、解決し続けないとあんたは消えることになるから」
「人に知られる形じゃないとだめなのか?」
「それはさすがに大丈夫。アピールする相手は『世界』だから」
つまり、たいていのことは『世界』が判断するということか。的なのか味方なのか、よく分からない相手だ。
「と、以上よ。あとは退治するかしないかの見極めも大事になってくるとか色々とあるんだけど、それ
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