第十話
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こうなって死ぬ』っていう夢を見せてる間は、それ以外の要因では死なないわ」
「そう、なのか」
それはまあ何とも、無茶苦茶な話だ。でも、変に理屈っぽい話をされても理解できない自信はあるから、こっちの方が助かる。
「都市伝説によっておこる現象なんて、常識では証明も暗証もできないことだらけでしょ?でも、それは『ただ現実として』そこに起こる。ありとあらゆる都市伝説は『ロア』になり、現実のものになった瞬間。そのロアが影響を及ぼせる範囲では『ロア』の法則がすべての空間になる」
つまり、『ここでは俺が法だ!』がマジで起こる、とかの認識でいいんだろうか?きっといいと思う。そして、そこから出たいならその法律をどんな形でもいいからぶっ潰せ。
「ちなみに、お前がそれを守らなかったときはどうなるんだ?」
「最悪の場合、『別に夢の通りにしても何ともなかった』って噂を流されて消えるわね」
「噂を流されて消えちゃうのか」
「噂がロアを形成するもの、最悪消えるわよ。それを止めるシステムみたいな役目をいろんな学校にいる『三枝さん』が引き受けてくれてたりするし」
いろんな学校にいるんだ、三枝さん。そして、ロアに協力してるんだ。
「そろそろ、俺のキャパシティを超える話になってきそうだ」
「そう言われても、これくらい理解してくれないと困るのよ。昔っから妖怪だったり悪魔だったりの形で『ロア』は存在してきたんだから、それをかいつまんで話して行ったとしてもそこそこになるレベルの量があるのよ」
あんなのもロアになるんだ。人の認識で力が変わるなら、妖怪レベルになるともう固定なんだろうなぁ。
「……なんか大変そうだけど、頑張れよ?」
「人ごとじゃないのよ?『百鬼夜行』の主人公さん?」
「……はい?」
「あんたは、『8番目の世界』から『百鬼夜行』の主人公に選ばれた存在。『畏れ集いし』なんてついちゃうほどの存在になった、ってこと」
「なんか凄そうな感じなのは置いといてだ。どゆこと?」
「あんたもとっくに、『ロア』に片足突っ込んでる状態ってこと。最終的には、あたしみたいに『ハーフロア』になるわね」
「えっと……なんて?」
「ハーフロア。人間からロアになった人のことよ」
テンは指で自分と俺をさしてそう告げる。えっと、つまり……
「人間が、『ロア』に?」
そういうことが起こる、と。そういうことだろうか。
「ええ、そうよ。うーん、そうね。何かいい例えは……『口裂け女』でいっか。知ってる?」
「ああ、昨日調べたら出てきた。べっ甲飴とかポマードが苦手な、耳まで裂けた口のある女性だろ?」
「マスクをしてる、『私綺麗?』って聞いて来る、とかいろいろとあるけど、そんな感じね。あとは、そこを除けば美人、なんてのもついたり」
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