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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 08 「小鴉と王様」
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いんやけど」
「心配するな。貴様に手荒な真似をするつもりはない……いいのだな?」
「え?」
「我があやつの隣に立つことになっても貴様はいいのだな?」

 …………何を言っておるのだ我は!?
 こ、これでは我があやつのことを好きになってもよいかと聞いておるみたいではないか。目の前に居る小鴉も呆気に取られた顔をしておるし、これは完全に誤解されているだろ。一刻早くも訂正せねば!

「か、勘違いするでないぞ! 今のは物の弾みというか、仮の話だ。今は何とも思っておらぬが、将来的には分からんからな。もしそのような未来が来たとき、貴様に面倒を起こされては堪らん。ただそれだけだ。他意はないぞ!」
「そんな必死に言われるとかえって疑いたくなるなぁ。素直になったほうがええんちゃう?」
「ニヤニヤするでない! というか、貴様のほうこそ素直になったらどうなのだ。貴様は以前、見た目から服の好み、好きなタイプまで同じと言っておった。仮に我があやつのことを好きだとするならば、貴様も同じであろう!」

 つい勢いで言ってしまった証拠もない言葉だったが、小鴉の体が一瞬震えたように見えた。刹那の沈黙の後、小鴉は我を退けながら歩き始める。

「……そうやな。もしも互いの性格は今のままで、わたしと王様の立場が逆やったなら――」

 そこでくるりと回転し、小鴉は飛び切りの輝いて見える笑顔を浮かべる。微かな悲しげな色が見える太陽のような笑みを。

「――多分毎日アピールしとったと思うよ」
「小鴉……」
「……何辛気臭い顔しとるん。あくまで仮定の話やろ。現実は今あるものなんやから仮定の話なんて何の意味をなさん。……けど未来に関しては正直分からんよ。今は弟みたいに見てても、何がきっかけで異性として見るかもしれん。誰かの応援をしとったのに、恋敵になってまうなんてこともあるかもな」
「…………」
「でもそんときはそんときや。誰かとの関係が崩れるかもしれへんけど、わたしは後悔せん道を選ぶ。人生何があるか分からんし、本当の恋ってそういうもんやろうから」

 小鴉……それが貴様の本心か。
 今の彼女の言葉に疑う余地がなかった。それと同時に先ほどのユーリへの言葉に篭っていた意味も理解する。
 確かにユーリにはユーリの意思がある。本気で好いておるのならば、我がどうこう言ったところで聞きはしないだろう。意中の相手がろくでもない男なら口論になろうが止めるだろうが、今話に出ているのはあやつなのだ。あやつならば心配することはない。
 などと考えていると、不意に肩を軽く叩かれた。叩いたのはもちろん小鴉である。

「そういうわけやから、王様は遠慮なくショウくんにアピールしてええよ」
「――っ、別に我は特別な想いなど抱いておらぬわ! 大体、抱いておるのならば貴様の許可なぞ取
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