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戦闘城塞エヴァンゲリオン
第2話Aパート『天使の眼孔』
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以外にない。


  ◇  ◇  3  ◇  ◇


『っ!!』
声にならない叫びを上げ、初号機が短刀を振り上げる。
そして短刀を使徒の身体に突き立て、がりがりと切り裂いていく。

直接コアに。では、なかった。
周囲を囲むように切りつけ、コアを握って、捻るように引っ張る。コアにへばりつく様について来る使徒の体組織を削り取るように切り、完全にコアを身体と分離させた。

一瞬、びくりっと使徒の身体が跳ね。そして、力を失う。

使徒の身体から距離を取った初号機は左手に掴んだコアをさらに削っていった。
コアの周囲の組織がうねって、形を変えようとしている。それを、何度も削りとり、またバチバチと火花を散らし焼いていく。
リツコは、装甲から意図的に漏電させた電流によるものだということがわかった。

「ヒデオくん、どうするつもり?」
何がしたいのか?意図が掴めないミサトの声。

『無限の再生。本当に。そんなことが可能なのでしょうか?』
疑問形で返す、青年の声。リツコは彼と同様、コアを観察していた。確かに、いかに使徒の持つコア、S2器官とも呼ばれるそれであっても、無から有を生むことなどできるのだろうか。体細胞を再生させるそのためには、やはり、材料となる物質が必要なのではないか。
ガラス球のようにつるりとした表面が全面に見えるまでになったコア。

『…ぐっ』
突然のうめき声は彼の口から漏れた。初号機が掴んでいたコアを、思わず手放した。
何が起こったのか。初号機のデータを確認したリツコには、コアを掴んでいた初号機の手の平の素体にダメージがでていることが分かった。
表面を削り取られるように。だが初号機の装甲には傷ひとつ無い。

地面に落下した、コアを見ると、ふたたび薄く体組織に覆われようとしていた。

「周囲にある有機物を取り込んで自らの身体を再生している。そういうこと?」
『赤木博士』
「何?」
彼に初めて、名前で呼ばれたことに気付く。

『コアを収容可能な。隔離できる、施設はありますか?無菌室の様な』
「破壊せず、確保したい。そういうことね?」

『生きた使徒の。コア。そのサンプル。欲しくはないですか』
「欲しいわ」
即答する。

「ちょっ、リツコ!?」
ミサトは完全に殲滅(せんめつ)させたいらしい。彼女の気持ち、彼女の都合はリツコにも理解できる。しかしそれを無視して、総司令を振り仰ぐ。

「碇司令。…第14実験棟への搬入を具申いたします」
「リスクが大きすぎやしないかね?」
司令ではなく、副司令から懸念が示されるが。

「リスクよりも、利益の大なるを確信します」
「うむ…」
「…いいだろう。許可する」
司令の決定。それは何者にも勝る。


使徒のコアは、兵装ビ
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