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戦闘城塞エヴァンゲリオン
第2話Aパート『天使の眼孔』
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、避けられる気がしない。

立ち上がりざま、砕けたビルの瓦礫(がれき)を拾って投げつける。
人間は、猿の仲間のうちでも投擲(とうてき)が得意な生き物だ。野球のボールを投げれば素人でも多少の練習で100キロ近くまで出せる。エヴァンゲリオンは巨体でありながら、人間とおなじ速度おなじ動作ができるから、控えめに言っても人間が投げたボールが70キロ出すとしたらエヴァの身長を30倍と仮定しても単純計算で2100キロ出せることになる。高速であるほど空気との摩擦(まさつ)による減速は大きくなるから到達時点ではもっと下がるだろうが。

ガッと肩の辺りに瓦礫が命中し、後ずさる使徒。初号機は立ち止まらず、瓦礫を拾っては投げる。
いくつかの瓦礫が命中するが、光線が撃ち返され初号機は再び吹き飛ばされる。
身構えていたので、ヒデオの意識が飛ばされることは無かったが。やはり距離を空けた撃ち合いでは、分が悪いか。


立ち上がるため、掴んでいた瓦礫を渾身の力で投げつける。しかしそれは、突然現れた紅い壁に阻まれる。

『ATフィールドっ!?…あれがある限り一切の攻撃が無効化されるっ』
えーてぃーふぃーるど?事前に聞かされていない用語に戸惑う。

「説明を」
『あれはATフィールドと呼ばれる、使徒だけが持つ障壁、絶対領域よ』
『ほぼすべての現行兵器はその前では無力。ただし、エヴァンゲリオンも同じATフィールドを展開する能力が与えられているの。ATフィールドは相互に干渉しあって無力化することができるわ』
ミサトの回答を受けて、リツコが補足する。しかし、その発生原理はよく分かっていないらしい。パイロットの感覚に頼るところが大きく言語化できていない。レクチャーのしようがないのだ。


長かった時間が過ぎ。
「マスターっ、システムの掌握が完了しましたー」
「接近戦で。反撃する」
ウィル子の声に、決断を下す。瓦礫の投擲と光線の撃ち合いでは分が悪いことは確か。
ATフィールドというものの使い方は不明だが、接近戦であれば防御をかいくぐって一撃を入れられるチャンスがないではないだろう。



『接近戦で。反撃する』
発令所に響いたヒデオの声に、「それは無茶だ」と制止するその前に、モニタから初号機の姿が消えた。
先程までの千鳥足が嘘のように、使徒に向けて突進していたのだった。
カメラがその姿に追いついたとき、初号機は突進の勢いのまま、使徒に組み付いていた。
左手で肘の辺りを下から掴み、右手は襟首の辺り、肋骨のようにも見える白い棘を掴む。柔道の組み付きの様に見えた。
右足で使徒の足を刈り、地面に叩きつける。

「な…、投げた!?」
ミサトが驚きの声を上げるが、ヒデオにとっても半ば偶然に近い。高校の授業で何度か経験があった程度の柔道の動
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