暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
41 降りしきる涙の雨
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「心配無いよ」

彩斗とアイリスは再び買い物に戻る。
食料品や飲料、長期保存可能なものなど今まで買ったことの無い量の商品をカゴに入れていく。
カゴが1つでは足りなくなり、アイリスも近くのカゴを手に取る。
そして2人は10分程店内をウロウロしてから、レジに持っていった。
彩斗に促され、アイリスは先に出入口のところで待つ。

「!?いっ...いらっしゃいませ...ニャンタカードはお持ちですか?」
「あっ...いいえ、忘れました」

レジの少女は凄まじい買い物の量に驚いていた。
しかし逆に彩斗も驚いていた。
店員の少女は珍しい紫色のように見える黒めの髪のツインテールで少しやつれているが整った顔立ちで大人びているが、年齢は恐らく自分と殆ど変わらないように見えた。
少なくともまだ高校生とは言えない。
だがこの国では中学生の労働は認められていないはずだった。
ポイントカードの使用歴から居場所を探られないようにわざと忘れたと言うつもりだったが、一瞬言葉に詰まってしまった。

「えっと...こちらのお弁当類は温めますか?」
「いや、結構です」
「...お箸とスプーンはお付けしましょうか?」
「お願いします」
「では...全部で1万7,824ゼニーになります」
「クレジットカードでお願いします」

「城戸」と書かれたネームプレートをぶら下げた店員は素早い手際と対応で大量にあった商品をすぐに会計し、ビニール袋2つにまとめてみせた。
彩斗はディーラーの用意した使用歴から調べても自分には行き着かないクレジットカードで支払った。
レシートを受け取り、再び自分でも信じられない程の量の買い物をしたことを実感する。

「ありがとうございました、またお越しくださいませ!」

彩斗とアイリスは1つずつ袋を持ち店を出た。

「熱斗くん...?そっくりさん?」

彼女は昼頃のバイトでも自分の知っている人とそっくりの少年を見ていた。

「どうかした?」
「いや...今の女の子...いや、何でもない」
「?」

彩斗は一度、店の中を見返えした。
しかし自分のように男か女か分からない男がいるくらいだ。
年齢の割に若く見えてしまう少女がいても別にそこまで驚く必要はない。
彩斗は考えるのを止めた。
だが彩斗と同様に店員の少女も首をかしげていた。

「じゃあ、帰りましょうか?」
「あぁ...」

2人は家路に向かってゆっくりと歩き出す。
だがアイリスからすれば、もう少し話せる時間が欲しかった。
肝心の戦闘時や彩斗の内面的なところはまだ見えていないからだ。
彩斗の心は優しいがガラスのように脆く壊れてしまいそうで、少しでもい
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