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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第20話 「思惑」
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る。一挙手一投足が元気一杯だ。・・・ああ、お菓子まみれの手でキーボードを叩くの止めてください。掃除するの俺なんですよ?
「あっ、発見〜♪はい、どうぞ!」
楽しそうに手招きする束さん。俺は手をしっかり拭いた後、クロエと一緒に席を立つ。どれどれ・・・。
「《ゴーレムIII》の設計図、ですか・・・。」
「うんっ♪いや〜、くーちゃんと頑張ってやっとこの前完成したんだよ〜!ね、くーちゃん♪」
「ええ、流石は束様でした。」
・・・ふむ、《ゴーレムII》も相当化け物だったが、これはまた恐ろしい機体だな。日頃束さんと俺のサポートばかりしていたクロエにはこの機体の共同開発は荷が重かったろうに。
「お疲れ様、クロエ。たいしたもんだ。」
「あ、ありがとうございます、兄様!・・・ふふ。」
ご褒美に彼女の綺麗な銀髪を優しく撫でる。クロエも満更でもなさそうな様子で何よりだ。うーむ、この感触、癖になりそう。
「むぅ〜・・・。」
「・・・何ですか、束さん?」
その様子を見てプクーッと頬を膨らませる束さん。あらあら、拗ね方が随分と可愛らしいじゃないですか。もっと苛めたくなっちゃうから早いとこ止めてもらわないと。
「くーちゃんばっかり良いなぁ〜?束さんも頑張ったのになぁ〜?ご褒美欲しいなぁ〜?・・・チラッ。」
「・・・まったく、手間のかかる親ですね。ほら、おいで。」
「んっ・・・、えへへ・・・。」
嬉しそうに笑顔を浮かべる束さん。可愛いから憎めないんだよなぁ。というか説教してたはずなのに最終的に甘やかしちゃう俺ってどうなんだろう。・・・幸せだし、いっか。両手で女の子の頭を撫でながら小さな幸せを噛み締める俺であった。
「カッコよかったな・・・、あの人・・・。」
ルームメイトの出払った部屋で一人、彼女は布団を被りながら大好きな特撮ヒーローアニメを鑑賞していた。思い出すのは先の襲撃事件。
「正義のヒーロー・・・みたいだったな・・・。」
専用機を持たない自分がただ事態を傍観する一方、彼は圧倒的な強さで敵を一掃し皆を守った。その堂々たる様子は自分が憧れる正義のヒーローのようで。彼女の心を揺さぶっていた。この感情の正体を、彼女はきっとまだ知らない。
「私も・・・もっと・・・頑張らなきゃ・・・。」
彼女は見ていたアニメがいつの間にか終わっていたのに気付く。布団の中から這い出して静かに部屋を出ていった。彼女・・・、更識 簪は神裂 零の背中を思い出しながら今日も整備室へと通う。彼女の抱いた憧憬はいつしか焦燥感へと姿を変えていたのだった。
夕陽の射し込む本校舎の廊下。学生寮へと帰っていく生徒たちを静かに見送っていた彼女は再び歩き出す。手元の資料をぼんやりと眺めながら彼女は何やら思案して
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