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人の心
5部分:第五章
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たのじゃ?」
「目よ」
「目か」
「そう、目」
 目のことを指摘するちよでした。
「目でわかるのよ」
「わしの目でか」
「おとうの目は垂れてるのよ」
「むむっ」
「けれど狐さんの目は吊り上がってるからね」
「わかるというのか」
 今はじめて気付いたことでした。狐の目が吊り上がっているのは誰でも知っていることです。忠信は化ける時にそれをうっかりと消し忘れていたのです。

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