暁 〜小説投稿サイト〜
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Round《6》〜ストロンゲスト・カタストロフ〜
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と近づき――――

 ソードスキル、発動。《英雄剣》最上位ソードスキル、《ヒーロー・ゴッデボリューション》。連撃数無限。その内容は、『相手のHPがゼロになるまで、《英雄剣》のソードスキルを放ち続ける』というもの。

 ジンに、不可避の敗北を与えるべく。

 『最後には必ず勝利する』という、《主人公の法則》が発動する。

 見えない暴威が、ジンを蝕み始め――――直後、リンは彼にしては珍しく、かつてない戦慄に身震いした。

「ようやく見つけたぞ、この真っ白野郎」

 にたり、と、ジンの口元が笑みの形に歪む。その手が、見えるはずのないリンの首元へと延び、しっかりとつかんだ。

「ぐぁっ!?」

 ソードスキルが中断される。《英雄剣》にスキルディレイなど最初から存在しないものの、100%という絶対の確立を無視された驚愕で、リンの反応も遅れる。

「なん、で……」
「便利だな、このスキル。発動までに一分もかかるし、制限時間もある。見えないものは『見えない』みたいだが――――《天狗眼》と《限界突破》があれば、そんなのも関係ないな」

 そしてリンは気付いた。

 ジンの瞳が、黄色に輝いていることに。その姿は、まるでもう一人のジン……《月の剣士》ジンの様で。

「そのスキル……《千里眼》!?」
「ご明察だ」

 ますますニタリ、と笑みを深めるジン。

 馬鹿な。どういうことか。ジンのスキルを、何故この男が保有している。名称が同じだけか、と思いきや、制限まで同じならば完全に同一のスキルだろう。自分や《滅殺剣》のダークと同じように、コピースキルを持っているのか。

 そしてなおかつ、リンが聞いたことすらないスキルの名前は何だ。リンの世界では、茅場晶彦は超越者に関して寛容だ。彼こそがその頂点に立っているが故に。いつでも世界をコントロールできる故に。

 だからこそ、彼の世界のSAOのスキルは、1000を超えてなお収まらない。リンはその全てを知っているし、覚えている。故に、リンが知らないスキル、と言うのは、彼の世界に存在しなかったスキル、という事だ。

「面白れぇ……コピー、させろよな」
「断るぜ。ククク……見えるぞ、お前のスキル。お前のステータス」

 未知の事態に、こんな時でも興奮してしまうリン。しかしそれを嘲笑と共にジンは一笑する。

 そして次なる言葉が、リンを戦慄させた。
 
()()()()()

 ドクン。

 何かが、蠢いた。

 リンの足元を、漆黒のナニカが覆って行く。それは――――リンの中から、力を吸い取り始めた。

「ぐっ!?」

 ごくん。ごくん。と、不気味な音がどこかから鳴り響く。力が抜けていく。二刀が手から滑りおち
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