暁 〜小説投稿サイト〜
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Round《6》〜ストロンゲスト・カタストロフ〜
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「お前もな」

 言い合いは止まらない。そして時間も止まらない。いつの間にかスタートしていたカウントダウンは、今、終着する。

 【デュエル!!】

 両者の間に、閃光が瞬いた。

「《紅緋眼》!!」

 リンの瞳が赤く輝く。十の目にまつわる異能を操るこのスキル。まずは《目を隠す》能力で、敵の前から姿を消す。対象の目前に居ては効果が薄いので、もう一つのスキル、《光翼静翔》で瞬時に移動。光速を超えたスピードで、ジンの前から姿を消す。

 これで、どれだけ索敵が高くても、リンの存在は見破れない。

「何っ!?」

 ジンが驚愕で顔をゆがめる。いい気味だ。

 ――――さっさと決めさせてもらうぜ。

 《翔翼神》スキルで、十対二十枚の翼を出現させる。その内、《チェーンビット》でジンの動きを封じて、《バレット・ビット》と《ビーム・ビット》でジンを滅多撃ちにする。

 このコンボを受ければ、リンの勝利は決定したも同然である。少なくとも、今までどんな強敵もこのコンボを打ち破ることは不可能であった。

 だから今回も、打ち破ることはできない。


 事実、ジンはリンの攻撃を回避することも、そもそもリンを黙視することすらできていない。

 だが。

 リンは気が付いた。

 ジンのHPが、恐ろしいことに一ドットたりとも減っていない、という事実に。

 いや、減ってはいるのだ。ビットたちの銃撃が当たるたびに、ジンのHPはほんの0.1ドット程度ではあるが減っている。しかし、次の瞬間にはもう全快してしまっているのだ。塵を積もらせる間すらもなく。

「馬鹿な……!?」

 リンのレベルは500を超えている。ビットの攻撃であるとはいえ、そこはレベル性MMOの性、レベルの低いプレイヤーはすぐに叩き潰される。

 少なくともリンは、自分よりレベルの高いプレイヤーはタツ以外には見たことが無かった。

 だから今も、多分銃撃耐性のスキルか何かを持っているのだろうと推察して、今度はソードビットやブロウビットで攻撃を仕掛けてみる。魔法も使ってみた。《英雄剣》の派生スキルで色々試してみたりもした。

 しかし。

 結果は無情にも同じ。ジンのHPは、全く減らない。

「どういうことだ……!?」

 斬撃や打撃にも耐性があるのか。それでは、ビットによる攻撃はむしろ悪手。

 しかしリンには……というより、彼のメインウェポンである《英雄剣》には、その状況を覆す最強のソードスキルが存在している。普段のリンは戦いを楽しむためにこの力を使わないが、しかし今は――――

「面白れぇッ!」

 使うことこそが、面白いと確信した。

 二本の剣を抜刀する。不可視となっているリンは、高速でジンへ
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