暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
災禍の鎧
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い路地やら階段やらが複雑に絡み合っており、それらをオレンジ色の灯りが照らし出している。

寒々とした夜の底にポツリと燃える焚き火のように、どこかほっとする光景だ。

そんな【ロンバール】の転移門広場にある転移門が光を放ち、立て続けに三人のプレイヤーを吐き出した。

最初に出てきたのはレン、次にユウキ、そしてテオドラだった。

「しっかし、ほんとーにいるのか?短期間で《鎧》の行動パターンが調べられるヤツなんて」

手を後ろに組んで、テオドラが疑わしそうに言う。

「いるよー。性格はちょっとアレだけど……………ほら、見えてきた」

レンの指差す方向を、ユウキとテオドラは見て、そこに岩から削り出されたような一軒の家が立っていることに気付いた。

三角屋根にくっついた煙突から出る煙が、中に人がいることを示していた。

──コンコン──

レンが、別に躊躇した様子もなく木製のドアをノックする。

しばらくして、中から押し殺したような声が聞こえてきた。

「……………合言葉は?」

その声を聞き、隣に立っているユウキがぴくんと反応したが、テオドラがそのことについて問いただす前に、レンが同じく押し殺したような声を発した。

顔の表情が消えているように見えるが、気のせいだろう。

「…………………………性欲は人類の全て」

何かとんでもないことが聞こえてきたような気もするが、きっと気のせいだろう。うん、そうであってほしい。

「……違う」

「えっ!これじゃないの!?」

「…………冗談だ。入れ」

不毛なやりとりの後、ギイィィーとホラー映画のような効果音とともに扉が開いた。

扉の内側には、目の下に軽くクマを作った小柄な少年がいた。

かなり嫌そうな顔で溜め息をついているユウキの前で、レンは相変わらずののんびりとした笑みを浮かべ

「久しぶり。元気だった?ムッツリーニ」

言った。










「一枚!」

「……話にならん」

「じゃあ二枚!」

玄関で笑顔で対面した後、通された応接室のふかふかのソファーに埋没しながら、テオドラは呆れ半分の顔で目の前のテーブルに積み重なっていく女性プレイヤーの写真──おもにユウキの──を見ていた。

ちなみにユウキは、最初は苦笑していたが、今では悟りを開いた坊さんのようになっている。ぶっちゃけ言って、痛々しい。

だが、レンの言う数字が二桁を上回ってくると、やっと向かい合うようにして座っている不健康そうな少年──ムッツリーニというらしい──の言う言葉のレパートリーが増え始めた。

ぬぅ、とか、うぅん、とか言っている。

そんな煮え切らない態度に苛ついたのか、レンは笑顔でとんでもないこ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ