第六章 颶風の巫女
第11話 激突する力〜交差〜
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自分の現状を言われた時は驚いたけど。
いずれ皆んなに話す時はくるだろう。
そう、信じたい。
と、上条は心の奥底で静かに思った。
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ーーー
ーー
ー
「久しぶりたね、五河司令」
書斎のような部屋に琴里の方に顔を向けてくる男がいた。
円卓会議議長、エリオット・ウッドマン。
〈ラタトスク〉の創始者であり、琴里の恩人でもある人物だった。
でも、その後ろにもう一つ人影があるような……
でも今は気にしている余裕はない。
琴里「ご無沙汰しております、ウッドマン卿」
琴里は踵を揃えて綺麗に敬礼をした。
エリオット「随分と活躍しているそうじゃないか。円卓の連中も驚いていたよ。何でも三人の助っ人がいい動きをしてくれるとか」
琴里「はい。あの者達にはとても感謝をしております」
エリオット「そうか……ところで、つい先ほど報告があったのだが……」
琴里「報告、ですか」
エリオット「あぁ。〈フラクシナス〉がDEM社製と思しき空中艦に襲撃されたらしい」
その報告は既に受けていた。
琴里「ええ。聞いています。しかし艦には神無月や助っ人がいます。問題はないでしょう」
エリオット「そうだろうね。どちらかというと問題はもう一つの方だ」
琴里「と、いいますと?」
エリオット「君の兄上が天使を顕現させたらしい」
琴里「……!」
その言葉に、ピクリと眉を動かした。
琴里「そうですか。もう……」
エリオット「あぁ。恐らく君の霊力の再封印がきっかけになったのだろう」
琴里「……っ」
エリオット「……私も人間として未熟だな。まず最初に言わなければならないことも忘れているとは。五河司令、〈灼爛殲鬼〉を使ったと聞いたが、大事はないかね?」
琴里「は、はい。ご心配をおかけしました」
エリオット「随分と無理をさせてしまって申し訳なく思っている……でも、もしもの時は、″適切な対処″を迫られるかもしれない。でなければせっかく封印を施した精霊達に、また災いが降りかかることになる」
琴里「承知、しています。もしものことがあればーー」
琴里「ーー士道は、私が殺します」
エリオット「……嫌な役を押し付けているのは分かっているが、頼んだよ」
琴里「はい……」
エリオット「そうだ。変わり、っていうわけではないが……」
琴里「……?」
エリオット「君たちの助っ人がそちらに来るとほぼ同時期にこちらもある″助っ人″が来てね。″彼″は裏で活躍してもらっているよ。表舞台にはあまり出ずに……ね」
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