第六章 颶風の巫女
第11話 激突する力〜交差〜
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うとまだ士道達の方へ向かってほしくなかった。
案外早く見つかったせいか、まだ封印が成功した時に起こる代償ーー身に纏っていた服が消えた際に出る光の粒子をまだ確認できていなかったから。
十香「じゃあ行くぞ!」
上条「ち、ちょっと待ってくれ!」
封印した後はどうとなってもいい。だが士道も十香がいる前じゃ流石に封印する儀式ーーキスをしにくいだろう。
だから、僅かの時間稼ぎをするつもりだった。
その、つもりだった。
十香「ん?どうしたのだ?」
上条「えっと……あ、ちょっと質問なんだけど……」
十香が可愛らしく首を傾げた。
上条「十香から見て、今の俺ーー上条当麻はどう映って見える?」
だが、
上条はこの質問をしたことを少なからず後悔することになる。
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ーーー
ーー
ー
光の粒子が空高くに消えていくのが見えた。
十香「シドー?何やら光っていたが、何かあったのか?」
士道「……!?と、十香!?」
上条「あ……」
そこでは、耶倶矢と夕弦が二人揃って胸元を覆い隠し、その場にうずくまっているところだった。
上条が一瞬で察し、十香が遅れて状況を理解した。
そして、その顔を真っ赤に染めた。
十香「し、シドー!?な、ななな何をしているのだ!?」
士道「い、いや違うんだって!俺は何もーー」
言い争いが始まったところで上条はカバンを開けて中にあるものを取り出した。
それを耶倶矢と夕弦の方へ持って行き、バサッと頭から被せる。
耶倶矢「ばふっ!?」
夕弦「同調。ぶふっ」
毛布ではない。それはーー
耶倶矢「着物……?」
夕弦「疑問。どうして……」
そう。
あの時持ってきたカバンの中身は旅館にある着物だったのだ。
耶倶矢「あんた、まさか……!?」
夕弦「驚愕。最初からこうなることを予想していたのですか……?」
耶倶矢と夕弦が着物で身体を包みながら上条に問いかけた。
そして上条から返ってきた言葉は、さらに予想を上回るもので
上条「″予想″じゃねーよ。″確信″だ。お前たちならいつか自分達の本当の気持ちに気づく。俺はそう確信したからこそ、こうやって持ってきたんだ。封印の際の儀式と代償は知ってたからな」
耶倶矢と夕弦は、しばらくポカンとしていた。
我に帰ったのは上条に帯を渡された時だった。
その後、十香が士道に制裁を下したというのはまた別の話。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
帰り道。
上条「(……そっか)」
前方で
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