第六章 颶風の巫女
第11話 激突する力〜交差〜
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光り輝き、耶倶矢の右肩の羽と夕弦の左肩の羽が合わさって、弓のような形状を作った。
次いで夕弦のペンデュラムが弦に、耶倶矢の槍が矢となった。
そして。
左右から同時にその弦を最大まで引いた。
そして。
『〈颶風騎士ーー【天を駆ける者(エル・カナフ)】!!』
二人が全く同時に手を離し、巨大な矢を天高く打ち上げた。
瞬間、今までとは比べものにならないほどの風圧が辺りを襲った。
絶対にして無敵の一点集中攻撃。
風の加護を纏った矢の進行を止められるものなど、この世には存在しない。
人間の産物である戦艦に、それを防げる道理など、あるはずがなかった。
巨大な戦艦は、〈颶風騎士〉の矢に貫かれ、その風圧により内部機関を滅茶苦茶に破壊され、巨大な爆発音とともに散った。
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結局、凜袮に頼りっぱなしだったな、と上条は少し思った。
凜袮が大人しかったのも、『幻想殺し』を限りなく理想の形にするため。
凜袮から話されたことも全て『幻想殺し』と切り離された『力』のこと。
精霊のことに詳しかったのも、今回魔力の消費を少なく抑えられたのも全て凜袮の助言や努力の成果だったから。
だから改めて思う。
凜袮は、すごいと。
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耶倶矢「それより、だ。士道よ、早く我らの力を封印してみせよ」
夕弦「同意。まだ時間はありますが、早い方がいいです」
士道「え、いや……それは……」
士道が十香の方をチラッと見て、そして上条の方にも向いた。
まるで、少しの間頼んだぞ、と言わんばかりの目線で。
上条はため息を一つつき、十香の方に駆け寄った。
上条「十香。さっき俺が持ってたカバン一緒に探してくれないか?さっきの風でどこか行っちゃってさ」
十香「ん?別に構わんが……」
上条「サンキュー。じゃあ俺と十香はこっち側探すから士道と耶倶矢と夕弦はあっち側を探してくれないか?」
上条の十メートルほど後方にそのカバンがあるのは気のせいだと信じて、士道はその言葉に肯定した。
封印をする際の儀式と代償を十香に見せるわけにはいかなかったから。
十香「お、あれではないのか?」
上条「おっと、あったあった。これだ。サンキューな十香」
そう言いながら十香の頭を撫でる。
十香「うむ!容易い御用だぞ!じゃあシドーたちにも見つかったことを言わなきゃいけないな」
上条「そ、そうだな。見つかったのに探してたら、無駄な労力になっちまうし……」
でも本音を言
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