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剣聖龍使いの神皇帝
第2巻
亜鐘学園理事長の思惑と企み
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人的な者でも気付かない性能を持っている。

「過去最大級の多頭種を、たった三人で倒したのだろう?校長が絶賛していたよ」

先日、学園近郊に突如出現した九頭大蛇を諸葉が倒した事を差していた。厳密に言えば静乃やサツキはその場に居合わせただけなのだが、ここは三人で倒したという事になっている。サツキも活躍した事にしておけば、彼女が実戦部隊の予備隊員入り出来るからだ。

「御祖父様は、白騎士機関の事を大層評価しておられる。今後ますます、世界規模で権勢を持つ組織になるとね。我が漆原家としても、そこに食い込んで行かなくてはならない」

「もう耳にタコが出来る程聞かされたわ」

「お前が《救世主(セイヴァー)》で、早くも頭角を現してくれて私も鼻が高いよ」

この兄もまんまと嘘を信じ込んでいる様子だったので、静乃も監視班である蒼い翼もホッとしたが・・・・。

「灰村・・・・諸葉と言ったかねえ?《最も古き神(神皇帝)》の彼」

この兄が何を思ったか、諸葉の名をいきなり出して来た事だったがあくまで冷静にいられた。事前に沙紀から、もし理事長である兄から諸葉について言われたとしても、冷静にいるようにと言われていたのだ。兄は立ち上がると、窓から校庭を見てそこにある電光スクリーンを眺める。リアルタイムで《異端者(メタフィジカル)》とドウターを相手にして戦っているCBの部隊と異端者相手に今回の策で動いている『実戦部隊(ストライカーズ)』の活躍を見つめる。静乃も一緒に眺めて、ついつい目が諸葉に行くが釘付けになっている。最前線でドウターと異端者相手というのに、怯まない戦い振りからは微塵も不安を覚えず、その強さは酔いしれさせてくれる。

「際立っているよねえ、彼。隊長の石動君よりも上で、特別顧問をしているそうじゃないか。彼はCB所属なのか、最近は連携をしながら両方を葬っているとか。担任の田中先生に聞いたけど、彼とは仲良くしているんだろう?」

窓の外を見て、背中を向けたまま兄が質問してくる。

「友人以上恋人未満でそれなりに親しくさせているわ」

ホントは友人としてだけだが、静乃は後ろ盾があるので慎重には言わずに堂々と答えたのだった。

「ほう・・・・友人以上恋人未満というのは気になるね。それなりに良い事のようだ」

兄はまるでよくやったと言わんばかりに頷いた。静乃にとっては意外過ぎると思ったが、あんな男と付き合うなと命令と比べれば、随分とマシな反応であるがまだ安堵は出来なかった。

「今度、我が家に招待してあげなさい」

「どうして・・・・?」

「お前もそろそろ、ボーイフレンドくらい作ってもいい年頃だ」

聞いて、静乃は押し黙る。兄が、・・・・漆原家が、諸葉との交際を認めてくれるなら願ってもない事だ。今まで通りに堂々と諸
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