番外21話『かみなりに打たれて』
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うな威力だったそれに対して、誰が放つのか、それをどのタイミングで放たれても避けられるように様子を見ていたからだ。
だが、ハントがこれまでの動きや戦い方を見ている限り少なくともこの4人は自然系ではないことは明白で、つまりは彼らの技によるものではないだろうとハントは今しがた結論を下した。
――もっと遠くからの大砲かなにかとか……あとはもう撃った人間は先に帰ったとか……かなぁ?
一応、この4人と1匹以外の伏兵を警戒してある程度の距離で見聞色を発動していたハントだが、少なくともここに姿を現している者たち以外には誰もいないことはもうわかっており、だからこそ先ほどの光の一撃を放てる人間もしくは兵器はこの周囲にはないと考えていた。
もうこの4人に必要以上に警戒をする必要はない。つまり目の前の彼らに集中して戦えるということで、見聞色の網も既に目の前の彼らがひっかかる程度の、ハントの周辺のみへと範囲を狭めていた。
絶対的な自信をもった表情のハントに、もちろん4人の彼らが何も思わないわけがない。
当然だが、自己紹介などしていないためハントは彼らのことを知らないが、彼ら4人は神に仕える神官で、おそらくはこの島では神に次いで強いとされている男たちだ。その彼らがハントのような若者に、しかも4人がかりという状況の中ですら余裕をもった表情をされて彼らのプライドに触らないわけがない。
何かを言うでもなく、まずはゴーグルの男が鳥の背中に乗って動いた。他の3人は彼の仕掛けに対して各々で攻撃しやすそうな位置に移動を開始する。明らかに連携ではなく、別個の行動だ。
――相変わらず別行動なんだよな。
呆れの気持ち半分で、それならばとハントも容赦なく動く。
ハントを翻弄するように空を自在に動きながら徐々に距離を詰めるゴーグルの男に、ハントは一気に飛び上がってその眼前にまでその身を寄せる。
「なっ!?」
驚きに慌てて槍を突き出すのだが、もちろんそんな苦し紛れの行動がハントに通じるわけがない。その槍がハント自身の体へと到達する前にサッカーでいうところのオーバーヘッドキックの要領でゴーグルの男を地面へと蹴り飛ばしていた。
魚人空手でもなんでもないただの蹴りだが、その一撃はやはり重く、鳥ごと地面へと叩き落された。空中に浮かんだハントは身動きが取れないだろうとわかっているからか、サングラスの男の攻撃が――先ほどまでは鉄の鞭だったものがまるで、如意棒のように形を変えて―――伸びる棒としてハントへと一直線に飛来する。
それをハントは慌てずに武装色をまとって右腕で殴って弾く。その衝撃からかサングラスの男が武器を取り落してしまうのを見届けたハントはその隙に無事に着地。真後ろから「ほっほう!」と丸い男が掌をかざして、技を発動し
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