第2巻
静乃と日向ぼっこ×実戦部隊出動
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告げたが、ビジネスウーマン然としたスーツに魔女の帽子を被っているのはこの学園の校長先生だ。校長は俺に確かめると金色の髪を邪魔にならないように払い、青い瞳を真剣に漏らす。
「綴る、我、望郷を訴えたり 我、懐郷を訴えたり 遥か 彼方 千里 彼方 万里、万里、遠き、故郷よ この手に届かぬ、在りし場所よ 我、妄執を訴えたり 我、憎悪を訴えたり この想いを以って、隔つ距離を繋ぎ給え この呪詛を以って、隔つ世界を歪め給え」
肉感的な赤い唇が艶やかに、歌うように、呪文を唱える。校長の魔力が高まり、大気が悲鳴を上げ、ザワザワと風が鳴り出す。俺と沙紀は少し離れた場所で静観している。俺らはそれがなくとも空間切断ですぐに行けるからだ。周囲の自然力を呑み込み、辺りが翳っていく。夕暮れとなったような視界の中で、校庭に一点の青白い光が生まれた。光はジワジワと強くなり、円状に広がり、世界を侵食するかのように魔法陣を描いて行き、ついには直径百メートルある魔法陣が完成した。
「ふーっ」
校長先生は満足するかのように一息つくが、他の生徒から見ればそれは魔女の業であり幻想的な光景となっていた。ま、こっちにも魔法使いはいるから、余り驚くような仕草はしない。それに亜鐘学園では、これが日常茶飯事のようなので誰も驚く者はいない。迅達『実戦部隊』の隊員も、サツキや静乃ら予備隊員も、教室の窓辺で見守る全校生徒達も、隊長石動迅が号令をかけようとしていた。
「我ら救世の剣なり!(We are the Saviors)」
「「「民と平和と正義のための一撃なり!(We are the Saviors for our people,our peace and our justice)」」」
石動は沈毅に頷くと、一歩踏み出した。青白く魔法陣の中へ行くが、その姿は光の中へ消えて行くのでまるで泉に足を踏み入れるかのような感じであった。予備隊員達に応援され、見送られながら、一人また一人と隊員が後を続く。
「今度もすぐにやっつけてよ!」
「お土産話をよろしくね」
「はいはい、分かっているよ。行くぞ沙紀!『了解!』はああああっ!」
俺と沙紀だけは魔法陣を通らずに、手刀で真っ直ぐ上から下に振り下ろすとそこから傷が生まれてから、俺と沙紀は入る。すぐに消えるが、俺と沙紀がいた場所は目の前にいる異端者とドウターと戦っているCB地上部隊とIS部隊が戦っている最中の最前線に来ていた。ここは飛騨山脈らしいので、山々の奥地。『実戦部隊』がいるのは、ここから五キロ離れた場所にいるが、亜鐘学園から数百キロ離れた場所に行くには校長先生が作りだした瞬間転移をする魔法陣《移ろいの門》によってな。
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