暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第九話。改変された物語
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
か出来るんだ?」

詞乃ちゃんは、俺が何が出来るのだろうか、とワクワクしているような顔を俺に向けてきた。

「うん。さっき君は言ったよね?
死人を生き返らせるなんて出来ない。そんな事は誰にも出来ない、不可能な事なんだって」

「言ったよ。それがどうしたの?」

「なら、その不可能を可能に変えてみせよう______」

俺がそう口にした直後。
Dフォンが勝手に動作し、俺自身を写真に写す!
と、今までにない不思議な和音のメロディーが動作音として鳴り響き______。
辺り一面の街並みが一気に暗さを増し、赤と金の色に包まれた。
俺の周囲に、蝋燭の炎に似た無数の緋色の光が回転を始める。
その光の中で、俺は俺が思い描く『物語の主人公』の姿をとっていった。
『不可能を可能にする男(エネイブル)』。
その姿を想像し、イメージをより強く頭の中で描いていく。
俺の周囲を回転していく、その緋色の炎を見つめると炎が変化し、一条の光の線となって俺の頭の中に入ってきた。
頭の中に入った光は俺が持つ力の使い方の情報として頭の中に流れ、ヒステリアモードの俺はその情報により俺の力の使い方を理解していく。
俺の姿は、東京武偵高の制服姿へと俺の姿は一瞬で変化していた。
その制服に使われている防弾繊維や防刃ネクタイも俺自身のイメージから具現化したものだ。
Dフォンは緋色に光り出してスクラマ・サクスに変化した。
そして能力の使い方を理解した俺は倒れている子供の一人。ミーちゃんに近づき、その体に触れた。
俺が右手の掌で軽くミーちゃんの体に触れた途端、ミーちゃんの体は赤く光輝き、彼女の体中にあった無数の傷口が塞がっていく。そして、止まっていた鼓動が聞こえてきた。
傷口はすぐ様塞がり、その死人のようだった彼女の肌色も、俺や音央と遊んでいた時のような健康的な人間の肌色に戻っていく。
だが黒い、闇色の飴玉みたいな瞳だけは元には戻らない。
すでに死人となっているタッくんとミーちゃん。
詞乃ちゃんの配下となっている意思を持たない操り人形。
迷い込んだ人々を襲い、喰らう存在。
そんな彼女達を救う方法だが、一つだけある。
それは俺にしか出来ない事。
ただの屍人では詞乃ちゃんの支配から抜け出せない。
ただ蘇生しただけではまた襲われる。
なら全く別の都市伝説に改変すればいい。
『人喰い村』の一部からミーちゃん個人の独立した都市伝説に。
それはロア化した今だからこそ出来る方法で俺にしか出来ない事だ。
彼女達の存在を『改変』していく。
だが全てを改変するだけの時間はない。一部は残してそれ以外を改変していく。
『人喰い村』の命令を従うだけの屍人(グール)から黒い目の子供達(ブラック・アイ・キッズ)の都市伝説に。
やがて光が収まるとそこには
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ