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101番目の舶ィ語
第九話。改変された物語
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なんて言ったの?」

「この子達はゴミなんかじゃない!」

「何で怒っているのかわかんないなー。
まあ、ゴミじゃないならそれでいいよ。
どっちにしろ、その子達は消えるか、私の支配下で動くか、それしかないんだから」

「いいや、あるよ。
この子達を君から取り戻す方法がね!」

「どうやって?
その子達はすでに死んでいるんだよ?
幽霊でもない。ただの残滓。本人の残りカス。物語のモブキャラだよ?
いくらお兄さんが普通の人じゃなくても死人を生き返らせるなんて出来ないでしょ?
そんな事は誰にも不可能なんだから」

微笑んだまま、そう告げる詞乃ちゃんは彼女が手に持つ包丁で俺に向かって切りかかってきた。
だが、俺に刃が届く事はない。一之江が俺の前に立ちはだかり詞乃ちゃんが振り回す包丁の斬撃を一之江が自身のその小さな手に持つナイフで全て防いでいるからだ。
一之江は詞乃ちゃんの攻撃を防ぎつつ、彼女が身にまとう洋服(ワンピース)を切り刻んでいく。
一之江がナイフを振るう度に詞乃ちゃんの肌や服に切り傷が出来るが、驚く事にそれは決して致命傷にはならない。
何故なら詞乃ちゃんの体についた傷口は瞬く間に、何事もなかったかのように塞がっているからだ。
切っても、斬っても再生する傷口。
一之江がナイフを振るう度に詞乃ちゃんの真っ赤なワンピースがズタズタのボロボロになっていく。
しかし、それでも彼女につけた傷口は回復していく。

「きりがない……ですね」

「無限回復力……『魔臓』でも持ってるのか」

「ふふふ、あははは……無駄だよ。無駄、無駄。
貴女じゃ、私は倒せない!
私はこの『富士蔵村』の『ロア』なんだから」

高らかに笑いながら一之江に斬りかかる詞乃ちゃん。
一之江は詞乃ちゃんの攻撃をナイフで受け止め、あるいは流しながら防いでいく。
攻撃を否しながら反撃し、ナイフで詞乃ちゃんの肌を切りつける一之江。
だが切っても切っても詞乃ちゃんの傷口はすぐ様塞がっていく。
一方、詞乃ちゃんは手に持つ包丁を振るい、一之江に向かって突き出していく。

「一之江??」

咄嗟に一之江の名前を叫ぶと。

ガキィン______。

刃物同士がぶつかる金属音が鳴り響く。
詞乃ちゃんの攻撃を受け止めながら一之江が俺に向かって叫んだ。

「……心配無用です。彼女は私に任せなさい。
モンジ。貴方は貴方にしか出来ない事をしなさい!
救うのでしょう?
その子達も、彼女達も!」

「ああ、もちろんだ!」

俺が頷くと、一之江は詞乃ちゃんにナイフを振るい切りつけた。一之江にナイフで切りつけられている詞乃ちゃんはまるで何も感じていないかのように相変わらず微笑んだままで顔を俺に向けて尋ねてきた。

「へぇ〜、何
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